7 肩関節に発症したosteochondromatosisの1例
症例は22歳, 女性, 事務職. 外傷歴・スポーツ歴なし. 2004年に左肩の違和感で発症し2007年2月に受診. 身体所見上, 左肩関節に軽度の可動域制限を認めた. 単純X線像では左肩関節周囲に円形の石灰化病変が多数あり, 上腕骨頸部内側にscallopingを認めた. CT, MRI像で病変は関節内に限局していた. 以上より滑膜骨軟骨腫症と診断し摘出術および滑膜切除術を行った. 滑膜骨軟骨腫症の肩関節発症は比較的稀であることに加えて本症例では摘出検体の病理所見で二次性病変で見られる同心円状, 層状の石灰化像を示す軟骨片の他に, 一次性病変で見られる軟骨細胞の集合化を伴う多分葉状を呈する軟骨...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2008, Vol.56 (4), p.218-218 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は22歳, 女性, 事務職. 外傷歴・スポーツ歴なし. 2004年に左肩の違和感で発症し2007年2月に受診. 身体所見上, 左肩関節に軽度の可動域制限を認めた. 単純X線像では左肩関節周囲に円形の石灰化病変が多数あり, 上腕骨頸部内側にscallopingを認めた. CT, MRI像で病変は関節内に限局していた. 以上より滑膜骨軟骨腫症と診断し摘出術および滑膜切除術を行った. 滑膜骨軟骨腫症の肩関節発症は比較的稀であることに加えて本症例では摘出検体の病理所見で二次性病変で見られる同心円状, 層状の石灰化像を示す軟骨片の他に, 一次性病変で見られる軟骨細胞の集合化を伴う多分葉状を呈する軟骨結節を一部に認めたことが特徴的であった. 外傷歴のない若年者の発症である本症例の病態に関しては一次性の病変を基盤として長い経過中に物理的刺激で生じた骨軟骨片が滑膜に着床して軟骨化生を引き起こし二次性の変化が加わったと考えた. |
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ISSN: | 0037-3826 |