5 低血糖にて発見された乏血性膵腫瘍の1例

27歳女性. 意識消失で当院救急外来受診. 低血糖を認め, 内分泌代謝科入院. インスリノーマの検索のため実施した腹部造影CTにて膵尾部に実質より低濃度を呈する2×1.5cm大の腫瘤を認め, 血管造影および選択的動脈内カルシウム注入試験を実施した. 腹腔動脈からのCTAでは膵体尾部に実質より低濃度の腫瘤を認めた. 腹腔動脈および脾動脈からのカルシウム注入にて右肝静脈血中のインスリン値が上昇した. インスリノーマの疑いで当院消化器外科にて膵尾部脾切除を施行. 腫瘤は充実性, 免疫染色ではInsulinが弱陽性~陽性で, インスリノーマの診断を得た. 内部は硝子様線維性間質に分画されていた. 膵内...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2008, Vol.56 (2), p.108-108
Hauptverfasser: 宮崎純子, 天野雅子, 丸山篤敬, 岡嵜洋一, 輪湖正, 大房裕和, 中田伸司, 渡辺正秀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:27歳女性. 意識消失で当院救急外来受診. 低血糖を認め, 内分泌代謝科入院. インスリノーマの検索のため実施した腹部造影CTにて膵尾部に実質より低濃度を呈する2×1.5cm大の腫瘤を認め, 血管造影および選択的動脈内カルシウム注入試験を実施した. 腹腔動脈からのCTAでは膵体尾部に実質より低濃度の腫瘤を認めた. 腹腔動脈および脾動脈からのカルシウム注入にて右肝静脈血中のインスリン値が上昇した. インスリノーマの疑いで当院消化器外科にて膵尾部脾切除を施行. 腫瘤は充実性, 免疫染色ではInsulinが弱陽性~陽性で, インスリノーマの診断を得た. 内部は硝子様線維性間質に分画されていた. 膵内分泌腫瘍は多血性腫瘍として知られるが, しばしば乏血性腫瘍であるとされる. 過去の報告における造影効果のパターンは多彩で特徴に乏しい. また, 報告内での病理的検討では血管的な要因や腫瘍内の変性, 線維化などとの関連が示唆されている. 本例でも内部に豊富な線維性隔壁がみられ, 共通点がみられた.
ISSN:0037-3826