8 脊椎疾患と鑑別が困難であったCIDP(慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー)症例の紹介

脊椎疾患との鑑別が困難であったCIDP症例を3例紹介した. いずれの症例も脊椎疾患として典型的でない点があり, 神経内科へ紹介し髄液検査・MRI・神経生検の結果CIDPと診断されたものである. CIDPとは原因不明の後天性脱髄性末梢神経疾患で, ギランバレー症候群の慢性型と言われ, 臨床・生理学的検査・病理所見・髄液検査からなる明確な診断基準が存在する疾患で, 免疫グロブリン大量静注やステロイド投与により改善が見込めるものである. CIDPは四肢のしびれ・疼痛・筋力低下を呈ししばしば脊椎疾患と混同されることから, 術後症状が改善しないケースの中に本疾患が含まれていることが予想される. 症状に対...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2008, Vol.56 (1), p.47-47
Hauptverfasser: 原一生, 芦澤僚平, 高原健治, 小池毅, 森家秀記
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:脊椎疾患との鑑別が困難であったCIDP症例を3例紹介した. いずれの症例も脊椎疾患として典型的でない点があり, 神経内科へ紹介し髄液検査・MRI・神経生検の結果CIDPと診断されたものである. CIDPとは原因不明の後天性脱髄性末梢神経疾患で, ギランバレー症候群の慢性型と言われ, 臨床・生理学的検査・病理所見・髄液検査からなる明確な診断基準が存在する疾患で, 免疫グロブリン大量静注やステロイド投与により改善が見込めるものである. CIDPは四肢のしびれ・疼痛・筋力低下を呈ししばしば脊椎疾患と混同されることから, 術後症状が改善しないケースの中に本疾患が含まれていることが予想される. 症状に対し画像上の神経圧迫が軽度であるなど脊椎疾患として典型的でない場合には本疾患を念頭におき, 髄液中蛋白・IgGの上昇やMRI(特にcoronal image)による神経根腫大の確認が必要と思われる.
ISSN:0037-3826