9 上腸間膜動脈閉塞症に対する血栓溶解療法
上腸間膜動脈閉塞症は比較的稀ではあるが, 症状が非特異的なため早期診断されにくく, しかも基礎疾患を有する高齢者に多発するので予後不良な疾患である. 腸管壊死が示唆されれば広範囲腸切除が唯一の治療法であるが, 腸管壊死が生じていなけれぼIVR治療も適応となる. 当科では2004年11月~2007年6月で, 本症に対する経カテーテル的血栓溶解療法を6例経験した. 全員が心房細動や脳梗塞などを有する高齢者であり, 腹痛や下血で発症し4~24時間後に治療がなされた. 血栓内に置いたマイクロカテーテルよりウロキナーゼ30~60万単位を用手動注し, 1例が再開通, 3例に部分的血流改善を得た. 効果不良...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2007, Vol.55 (5), p.311-311 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 上腸間膜動脈閉塞症は比較的稀ではあるが, 症状が非特異的なため早期診断されにくく, しかも基礎疾患を有する高齢者に多発するので予後不良な疾患である. 腸管壊死が示唆されれば広範囲腸切除が唯一の治療法であるが, 腸管壊死が生じていなけれぼIVR治療も適応となる. 当科では2004年11月~2007年6月で, 本症に対する経カテーテル的血栓溶解療法を6例経験した. 全員が心房細動や脳梗塞などを有する高齢者であり, 腹痛や下血で発症し4~24時間後に治療がなされた. 血栓内に置いたマイクロカテーテルよりウロキナーゼ30~60万単位を用手動注し, 1例が再開通, 3例に部分的血流改善を得た. 効果不良の3例には広範囲小腸切除術が行われ, 最終的に6例中3例を救命し得た. 本症ではIVR治療も外科治療も難渋することが多く, 血栓溶解療法にもさらなる改善が望まれた. |
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ISSN: | 0037-3826 |