ジフルニサルは血清中の家族性アミロイドポリニューロパチーに関連する変異型トランスサイレチン蛋白四量体を安定化することによりアミロイドーシス発症に必須である四量体からの解離を阻害する
【目的】トランスサイレチン(TTR)蛋白はサイロキシン(T4)とレチノール結合蛋白の担体蛋白で, 四量体として主に血清中に存在する. 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は変異型TTR四量体が解離し単量体となり, 更に変性することによって形成されたアミロイド線維が全身に沈着することにより発症する. 遺伝子組み換えTTRを用いた検討で, FAPに関連する変異型TTRは野生型TTRに比べ蛋白質としての構造が不安定であると報告されているが, FAP患者体内でのTTRの不安定性は証明されていない. TTR四量体はT4結合部位を2カ所有し, T4が結合することで単量体への解離が抑制されることが知...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2007, Vol.55 (5), p.278-280 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】トランスサイレチン(TTR)蛋白はサイロキシン(T4)とレチノール結合蛋白の担体蛋白で, 四量体として主に血清中に存在する. 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は変異型TTR四量体が解離し単量体となり, 更に変性することによって形成されたアミロイド線維が全身に沈着することにより発症する. 遺伝子組み換えTTRを用いた検討で, FAPに関連する変異型TTRは野生型TTRに比べ蛋白質としての構造が不安定であると報告されているが, FAP患者体内でのTTRの不安定性は証明されていない. TTR四量体はT4結合部位を2カ所有し, T4が結合することで単量体への解離が抑制されることが知られている. しかし, 血清中でT4が結合しているTTRは1%未満であり, その効果は限定的である. T4類似の構造を持つ低分子化合物も同様に四量体の安定性を高めることがin vitroで証明され, ジフルニサル(dif), フルフェナム酸(flu)などの非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)もこれに含まれる. |
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ISSN: | 0037-3826 |