アンギオテンシンIIはマウス培養メサンギウム細胞の遊走を制御する:受容体サブタイプ特異的な制御の証明
【目的】Angiotensin II(以下Ang II)は, レニン-アンギオテンシン系の主要な構成要素であり, 心血管機能や腎の恒常性維持に重要な役割を果たしている. 細胞レベルでは細胞増殖・遊走・浸潤に関与しており, 細胞遊走については血管平滑筋細胞や網膜細動脈細胞などの遊走を惹起することが判明している. また, レニン-アンギオテンシン系の亢進は, 心血管疾患や糸球体硬化などの疾患をもたらすことも知られている. レニン-アンギオテンシン系を抑制するAngiotensin Converting Enzyme InhibitorやARB(Angiotensin II Receptor Blo...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2007, Vol.55 (5), p.261-263 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】Angiotensin II(以下Ang II)は, レニン-アンギオテンシン系の主要な構成要素であり, 心血管機能や腎の恒常性維持に重要な役割を果たしている. 細胞レベルでは細胞増殖・遊走・浸潤に関与しており, 細胞遊走については血管平滑筋細胞や網膜細動脈細胞などの遊走を惹起することが判明している. また, レニン-アンギオテンシン系の亢進は, 心血管疾患や糸球体硬化などの疾患をもたらすことも知られている. レニン-アンギオテンシン系を抑制するAngiotensin Converting Enzyme InhibitorやARB(Angiotensin II Receptor Blocker)が単なる降圧作用だけでなく, その他の作用, 例えば腎保護作用を有することも判明してきている. Ang II受容体には主に2つのサブタイプ, タイプ1(以下AT1受容体)とタイプ2受容体(以下AT2受容体)があり, サブタイプによりその作用は異なっている. 腎メサンギウム細胞については, AT1受容体の作用として, メサンギウム細胞の増殖や細胞外基質の産生促進などが知られているが, AT2受容体の作用については不明であった. |
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ISSN: | 0037-3826 |