4 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術後難治性膵液漏に経腸栄養が有用であった1例
膵頭十二指腸切除術後に膵液漏となった場合, 通常絶食TPN管理を行うことが, TPN管理をせず, 経腸栄養を継続し良好に経過した症例を経験した. 症例は糖尿病の既往を有する69歳男性で下部胆管癌の診断で入院し, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術施行を受けた. 術後2日目より, 腸痩よりGFOを3日間投与後, 糖尿病用経腸栄養食品(グルセルナ)を開始. 8日目に膵空腸吻合部の縫合不全により膵液漏となったが経腸栄養を続け, 術後11日目にはTPNを終了. 膵液漏が治癒しないので膵液分泌抑制の目的で経管栄養剤を糖尿病用経腸栄養食品に比べ低脂肪の栄養食品(E6)に変更, さらに低脂肪の成分栄養剤(エレンタ...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2006, Vol.54 (2), p.106-106 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 膵頭十二指腸切除術後に膵液漏となった場合, 通常絶食TPN管理を行うことが, TPN管理をせず, 経腸栄養を継続し良好に経過した症例を経験した. 症例は糖尿病の既往を有する69歳男性で下部胆管癌の診断で入院し, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術施行を受けた. 術後2日目より, 腸痩よりGFOを3日間投与後, 糖尿病用経腸栄養食品(グルセルナ)を開始. 8日目に膵空腸吻合部の縫合不全により膵液漏となったが経腸栄養を続け, 術後11日目にはTPNを終了. 膵液漏が治癒しないので膵液分泌抑制の目的で経管栄養剤を糖尿病用経腸栄養食品に比べ低脂肪の栄養食品(E6)に変更, さらに低脂肪の成分栄養剤(エレンタール)に変更した. なお膵液漏が消失しないため, ソマトスタチンアナログを2週間投与. その後膵液漏は減少し, 術後63日目より経口摂取再開し膵液漏も自然閉鎖し退院となった. 経過中, 感染症などの他の重篤な合併症を全く併発せず, 体重減少は軽度で, 栄養アセスメント蛋白値の持続的な低下も認めなかった. 経口摂取後も下痢, 嘔吐等起こさず, 経管栄養からスムーズに移行ができた. また術後のADLの回復も速やかで, 入院中のQOLは維持できた. 以上より膵頭十二指腸切除術後膵液漏合併時も経腸栄養を積極的に行ってもよいと考えられた. |
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ISSN: | 0037-3826 |