30 MRIにて診断し得た有頭骨単独骨折の1例

受傷後3週に初診した, 有頭骨単独骨折の症例を経験した. 症例は, 18歳男性. 3週間前に右手を突いて受傷した. 受傷機転は, 手関節背屈及び前腕長軸方向の圧迫力と考えられた. 受傷時より局所の明らかな腫脹はなく, 初診時のレントゲン上も骨折所見はなかった. しかし, 圧痛, 運動時痛が残存していたため, MRI撮影を行い, 有頭骨単独骨折の診断を得た. 一般に, 6~8週間の外固定が推奨されるが, 診断時には, すでに圧痛, 運動時痛は軽快傾向にあったため, 外固定せずに, 手関節に負荷をかけないように生活指導した上で, 経過観察とした. 受傷後2ヵ月の時点で, 圧痛, 運動時痛ともに消失...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2006, Vol.54 (1), p.44-44
Hauptverfasser: 今西淳悟, 中村千行, 村島隆太郎, 横尾冠三
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:受傷後3週に初診した, 有頭骨単独骨折の症例を経験した. 症例は, 18歳男性. 3週間前に右手を突いて受傷した. 受傷機転は, 手関節背屈及び前腕長軸方向の圧迫力と考えられた. 受傷時より局所の明らかな腫脹はなく, 初診時のレントゲン上も骨折所見はなかった. しかし, 圧痛, 運動時痛が残存していたため, MRI撮影を行い, 有頭骨単独骨折の診断を得た. 一般に, 6~8週間の外固定が推奨されるが, 診断時には, すでに圧痛, 運動時痛は軽快傾向にあったため, 外固定せずに, 手関節に負荷をかけないように生活指導した上で, 経過観察とした. 受傷後2ヵ月の時点で, 圧痛, 運動時痛ともに消失し, 可動域制限もなく, 順調に経過している. 本症例のように, 明らかな腫脹なくレントゲン所見も乏しい手根骨骨折の症例は少なからず存在し, 手根骨骨折を疑った際の診断において, MRIは有期な手段の1つであろう.
ISSN:0037-3826