8 後方除圧では満足すべき結果が得られなかった胸椎椎間板ヘルニアの1例

胸椎部は胸郭の存在により椎間可動性が制限され安定しているため胸椎椎間板ヘルニアは比較的まれな疾患とされている. しかし一度発症すると症状が急速に進行し, 麻痺が発生しやすく, 手術が必要となることが多い. 今回我々はT9/10の同一レベルに椎間板ヘルニア及び胸椎黄色靱帯骨化症を認める症例においてT8~10椎弓切除術施行後, 症状が増悪したため前方除圧椎体固定術を行い, 麻痺の改善を得た症例を経験したので報告した. 後弯を有する胸椎においては, 椎間板ヘルニアに対する手術は, いずれの進入法を選択するにせよ, 脊髄の前方における充分な除圧せずには麻痺の改善は得られないことがこの症例で確認された....

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2006, Vol.54 (1), p.38-39
Hauptverfasser: 塚田章博, 大塚訓喜, 清野良文, 安藤秀将, 加藤光朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:胸椎部は胸郭の存在により椎間可動性が制限され安定しているため胸椎椎間板ヘルニアは比較的まれな疾患とされている. しかし一度発症すると症状が急速に進行し, 麻痺が発生しやすく, 手術が必要となることが多い. 今回我々はT9/10の同一レベルに椎間板ヘルニア及び胸椎黄色靱帯骨化症を認める症例においてT8~10椎弓切除術施行後, 症状が増悪したため前方除圧椎体固定術を行い, 麻痺の改善を得た症例を経験したので報告した. 後弯を有する胸椎においては, 椎間板ヘルニアに対する手術は, いずれの進入法を選択するにせよ, 脊髄の前方における充分な除圧せずには麻痺の改善は得られないことがこの症例で確認された.
ISSN:0037-3826