6 肥厚性脊髄硬膜炎の2例

肥厚性脊髄硬膜炎を2例経験した. 症例1:64歳, 女性. 現症両上肢の痺れと巧緻運動障害. 単純MRI像はC1~T3レベルで広範囲に扁平な病変を認め, 脊髄を圧迫していた. 造影MRIでは造影所見を認めず. 手術は厚さ3~4mm程の肥厚硬膜を切除し人工硬膜で覆い除圧した. 病理では肥厚した膠原線維組織の発達と微小血管増生を認めた. 炎症細胞浸潤は認めなかった. 症例2:69歳, 女性. 主訴体幹~両下肢の痺れと歩行障害. MRIではT1, T2にて広範囲な髄外病変を認め, 脊髄を圧迫していた. この病変はGd造影MRIによく造影された. 手術は人工硬膜による硬膜形成と除圧を行った. 周囲と癒...

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Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2006, Vol.54 (1), p.38-38
Hauptverfasser: 中根健, 出口正男, 金物壽久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:肥厚性脊髄硬膜炎を2例経験した. 症例1:64歳, 女性. 現症両上肢の痺れと巧緻運動障害. 単純MRI像はC1~T3レベルで広範囲に扁平な病変を認め, 脊髄を圧迫していた. 造影MRIでは造影所見を認めず. 手術は厚さ3~4mm程の肥厚硬膜を切除し人工硬膜で覆い除圧した. 病理では肥厚した膠原線維組織の発達と微小血管増生を認めた. 炎症細胞浸潤は認めなかった. 症例2:69歳, 女性. 主訴体幹~両下肢の痺れと歩行障害. MRIではT1, T2にて広範囲な髄外病変を認め, 脊髄を圧迫していた. この病変はGd造影MRIによく造影された. 手術は人工硬膜による硬膜形成と除圧を行った. 周囲と癒着, 硬化した約5mmの厚みの硬膜を認めた. 病理では炎症細胞の浸潤と膠原線維, 毛細血管の増生を認めた. 術後MRIでは11ヵ月で脊髄の空洞化が明らかとなった. 6年経過したが残存肥厚硬膜の進展は認めていない. 2症例とも再発なく経過良好である.
ISSN:0037-3826