環境医学
私の母校は産業医科大学(福岡県北九州市)です. その名のとおり, 在学当時から産業医学に関する教育を受けてきました. 卒業した当初は全身を診ることができる麻酔科医に魅力を感じ, 産業医科大学の麻酔科学教室に入局して麻酔科医として従事し, 麻酔科専門医の資格を得ました. 一方で, ご縁があって平成14年には企業外労働衛生機関に勤務し, 主に中小企業の産業保健業務に携わりました. 産業保健業務を企業内で展開していく際には労働安全衛生法等の法規に則って行います. しかしながら, 現場では, ただ単に法律で定められているからという理由だけではなく, 「こういう理由でこの基準値を守らなくてはいけませんよ...
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Veröffentlicht in: | 信州医学雑誌 2006, Vol.54 (1), p.28-28 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 私の母校は産業医科大学(福岡県北九州市)です. その名のとおり, 在学当時から産業医学に関する教育を受けてきました. 卒業した当初は全身を診ることができる麻酔科医に魅力を感じ, 産業医科大学の麻酔科学教室に入局して麻酔科医として従事し, 麻酔科専門医の資格を得ました. 一方で, ご縁があって平成14年には企業外労働衛生機関に勤務し, 主に中小企業の産業保健業務に携わりました. 産業保健業務を企業内で展開していく際には労働安全衛生法等の法規に則って行います. しかしながら, 現場では, ただ単に法律で定められているからという理由だけではなく, 「こういう理由でこの基準値を守らなくてはいけませんよ. こういう方法で作業を行ってください」と主張する方が企業や労働者に受け入れられやすいことを感じました. そうした経験を通して, これらの基準値や管理方法が法律で定められる際の根拠(エビデンス)についてもっと勉強したいと考えるようになりました. 社会予防医学講座環境医学分野では, 産業保健の現場で使用される有機溶剤や燻蒸剤の生体影響に関する研究や, 産業保健の根幹にある予防医学や公衆衛生学についての研究を行っておられます. こういった研究の積み重ねは, 基準値や管理方法を定められる際の根拠に繋がることから, 本講座で勉強させていただくことといたしました. 大学院に入学してから1年半が経ち, 産業保健の現場から地域医療の現場まで, さまざまな経験を積む機会を与えていただきました. 今後は, この経験の中からアイデアを抽出し, 世の中の人々に必要とされるような健康に役に立つ情報とその根拠(エビデンス)を一つでも提供できるような研究をしていきたいと思います. 特に, 自分が女性であることから, 女性の労働と出産, 育児に関するテーマを深く掘り下げていけたらと思います. (産業医科大平9年卒) |
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ISSN: | 0037-3826 |