6 カペシタビン,MPA併用で腫瘍マーカーの低下を認めた1症例の経験

カペシタビンは5'-DFURの前駆体である.腸管から吸収され,肝臓で5'-DFURまで代謝され,癌腫内のthymidine phosphorylase(TP)で5-FUに変換されて殺腫瘍作用を発揮する.アンスラサイクリンやタキサンによる前治療のある再発,進行乳癌症例に対し単独でも20%前後の奏効率がある.タキサンやCPAにより腫瘍のTPが活性化されるため,カペシタビンとタキサン,CPAの併用により更に高い奏効率が期待されている.今回,当院で経験した症例は,右乳癌術後の右癌性胸膜炎の症例である.EC療法,TXLにより画像上病変がほぼ消失したのち,カペシタビンを単独で投与したが...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2005, Vol.53 (3), p.178-178
Hauptverfasser: 望月靖弘, 加藤邦隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:カペシタビンは5'-DFURの前駆体である.腸管から吸収され,肝臓で5'-DFURまで代謝され,癌腫内のthymidine phosphorylase(TP)で5-FUに変換されて殺腫瘍作用を発揮する.アンスラサイクリンやタキサンによる前治療のある再発,進行乳癌症例に対し単独でも20%前後の奏効率がある.タキサンやCPAにより腫瘍のTPが活性化されるため,カペシタビンとタキサン,CPAの併用により更に高い奏効率が期待されている.今回,当院で経験した症例は,右乳癌術後の右癌性胸膜炎の症例である.EC療法,TXLにより画像上病変がほぼ消失したのち,カペシタビンを単独で投与したが,腫瘍マーカーの高値が持続した.MPA800mg/日を併用したところ腫瘍マーカーの低下を認めた.以前から5'-DFUR+MPA+(CPA)療法の三次化学療法としての有効性の報告があり,カペシタビンとMPAの併用もある程度の有効性が期待される.
ISSN:0037-3826