5 Chemical Mastectomyの1例

内分泌化学療法のみで,乳房切除と同等の治療効果が得られた進行乳癌症例を報告した.症例は68歳女性.初診時,右乳房は原形をとどめずほぼ全体が腫瘤で,胸部CTにて肺,胸膜に高度の転移を認めた.腫瘍の針生検では,硬癌でER+,PgR+であった.経口でTOR120mg/日およびUFT300mg/日を継続投与し,経静脈的に(C)TF8回施行後に(C)MFを4回施行した.6カ月後に腫瘍は著明に平坦化し,多発するすべての肺転移巣は微小な病変となっていた.CEAが約3カ月,CA15-3は約4カ月,ST439が約7カ月でそれぞれ正常値となり,TOR120mg/日およびUFT300mg/日のみの治療とした.約2年...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:信州医学雑誌 2005, Vol.53 (3), p.178-178
Hauptverfasser: 横山史朗, 小沼 博, 町田泰一, 西尾秋人, 中田伸司, 袖山治嗣, 岨手善久, 宮崎忠昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:内分泌化学療法のみで,乳房切除と同等の治療効果が得られた進行乳癌症例を報告した.症例は68歳女性.初診時,右乳房は原形をとどめずほぼ全体が腫瘤で,胸部CTにて肺,胸膜に高度の転移を認めた.腫瘍の針生検では,硬癌でER+,PgR+であった.経口でTOR120mg/日およびUFT300mg/日を継続投与し,経静脈的に(C)TF8回施行後に(C)MFを4回施行した.6カ月後に腫瘍は著明に平坦化し,多発するすべての肺転移巣は微小な病変となっていた.CEAが約3カ月,CA15-3は約4カ月,ST439が約7カ月でそれぞれ正常値となり,TOR120mg/日およびUFT300mg/日のみの治療とした.約2年後には1-CTPも正常値となりTORを40mg/日に減量し,4年後にUFTを中止.5年が経過した時点でTORからExemestanに変更した.現在まで,局所および肺転移のCRが維持されている.本例のごとく乳房が消失するほどの治療効果が,薬物療法のみで5年以上の長期にわたり継続している症例は極めてまれと思われ,Chemical Mastectomyと題した.
ISSN:0037-3826