沖縄県における小学生とその母親における随時尿より推定した食塩・カリウム摂取量の実態

「I. 緒言」高血圧は, 心血管疾患の主要なリスク因子である. 高血圧予防には, 食事からの食塩摂取量の減少およびカリウム摂取量の増加が有効であり, 小児期からの減塩や積極的な野菜・果物の摂取が望ましい. 小児期の食生活は, 保護者の食生活の影響が大きいと考えられるが, わが国において, 小児とその保護者の食塩やカリウム摂取量の関係をみた研究は限られている. 平成28年度沖縄県県民健康・栄養調査結果によると, 沖縄県成人のどの年齢階級も, 全国と比較して, 食塩摂取量が少なく, カリウム摂取量も少なかった. いずれも日本人の食事摂取基準(2015年版)の目標量には至っていないのが現状である....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本健康学会誌 2020/03/31, Vol.86(2), pp.76-82
Hauptverfasser: 伊藤, 早苗, 朝倉, 敬子, 杉山, 賢明, 高倉, 実, 等々力, 英美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」高血圧は, 心血管疾患の主要なリスク因子である. 高血圧予防には, 食事からの食塩摂取量の減少およびカリウム摂取量の増加が有効であり, 小児期からの減塩や積極的な野菜・果物の摂取が望ましい. 小児期の食生活は, 保護者の食生活の影響が大きいと考えられるが, わが国において, 小児とその保護者の食塩やカリウム摂取量の関係をみた研究は限られている. 平成28年度沖縄県県民健康・栄養調査結果によると, 沖縄県成人のどの年齢階級も, 全国と比較して, 食塩摂取量が少なく, カリウム摂取量も少なかった. いずれも日本人の食事摂取基準(2015年版)の目標量には至っていないのが現状である. ただし, 県民健康・栄養調査で用いられている食事記録法では, とくに食塩摂取量の推定精度が低いという限界がある. 食塩やカリウム摂取量を把握する方法としては, 通常, 24時間蓄尿法が用いられる. この方法より精度は劣るが, 対象者の負担がより少ない随時尿を用いた推定が簡便であり, 成人において通例用いられている.
ISSN:2432-6712
2432-6720
DOI:10.3861/kenko.86.2_76