日本の大学生における食品摂取パタンと抑うつ状態の関連

「I. 緒言」近年の日本の一般人口集団において, 大うつ病性障害は最も高い12か月間有病率を示す精神疾患の一つであることが報告されている. さらに, 日本の大学1年生における研究においても12か月間の大うつ病エピソードの有病率・発症率がともに高いとの報告もある. また, 抑うつ状態は大学生において自殺行動への脆弱性を高める可能性が示されており, 日本の大学においても精神科診断を受けた自殺学生では気分障害が最も多かった. よって, 大学生におけるうつ病に対する予防的対策の開発が望まれるが, 近年までにうつ病の予防を目的とした介入研究は一般人口集団においても一部に限られている. うつ病に対する予防...

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Veröffentlicht in:民族衛生 2016/11/30, Vol.82(6), pp.217-227
Hauptverfasser: 藤井, 厚志, 桑田, 有
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」近年の日本の一般人口集団において, 大うつ病性障害は最も高い12か月間有病率を示す精神疾患の一つであることが報告されている. さらに, 日本の大学1年生における研究においても12か月間の大うつ病エピソードの有病率・発症率がともに高いとの報告もある. また, 抑うつ状態は大学生において自殺行動への脆弱性を高める可能性が示されており, 日本の大学においても精神科診断を受けた自殺学生では気分障害が最も多かった. よって, 大学生におけるうつ病に対する予防的対策の開発が望まれるが, 近年までにうつ病の予防を目的とした介入研究は一般人口集団においても一部に限られている. うつ病に対する予防的対策のなかには食事内容の改善も含まれると考えられるが, 食事の介入試験についてはSanchez-Villegas et, al.の研究など限定的である. 食事内容への介入は倫理上の実施困難性が生じるため, うつ病の予防的食事処方の開発においては栄養疫学分野の観察研究に頼るところが大きく, 現状では抑うつ状態を予防する食事内容が確立しているとは言い難い.
ISSN:0368-9395
1882-868X
DOI:10.3861/jshhe.82.217