外傷性在宅頸髄損傷者の個人誌の混乱にみる困難の特徴と概念構造の検討

[I 緒言] 脊髄損傷者の抑鬱障害や不安障害, 薬物依存や自殺率は高く, 適応が困難であることは従来指摘されている(Chevalier et al., 2009; Galvin and Godfrey, 2001), 初めに, 身体・医学的問題では損傷脊髄レベルに応じて麻痺や機能障害があらわれ, 合併症や2次障害もある. 第二に, 勃起・射精障害, 女性脊髄損傷者の性反応障害, 性的な存在としての自信の喪失, 性的な欲望の減退や性行為頻度の減少などのセクシュアリティ上の問題がある(Oliver et al., 1988; Ricciardi et al., 2007). 第三に, 既述した抑鬱...

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Veröffentlicht in:民族衛生 2013, Vol.79(2), pp.26-46
Hauptverfasser: 井出, (大河内) 彩子, 山崎, 喜比古, 藤村, 一美, 楠永, 敏惠
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:[I 緒言] 脊髄損傷者の抑鬱障害や不安障害, 薬物依存や自殺率は高く, 適応が困難であることは従来指摘されている(Chevalier et al., 2009; Galvin and Godfrey, 2001), 初めに, 身体・医学的問題では損傷脊髄レベルに応じて麻痺や機能障害があらわれ, 合併症や2次障害もある. 第二に, 勃起・射精障害, 女性脊髄損傷者の性反応障害, 性的な存在としての自信の喪失, 性的な欲望の減退や性行為頻度の減少などのセクシュアリティ上の問題がある(Oliver et al., 1988; Ricciardi et al., 2007). 第三に, 既述した抑鬱障害等(Chevalier et al., 2009; Galvin and Godfrey, 2001)に加えて, 障害受容の問題(南雲, 2004)などが心理・精神的問題としてある. さらに社会・経済的問題として, 社会からの否定的反応(Murphy, 1987), 家族の介護負担(松井・佐川, 2006), 離婚率の高さ(De Vivo et al., 1995), 一般人口との収入格差(全国頸髄損傷者連絡会, 2010)等が指摘されている.
ISSN:0368-9395
1882-868X
DOI:10.3861/jshhe.79.26