熱流補償法を用いて測定した運動時の前額部深部温と食道温との関係
熱流補償法を用いて測定した前額部深部温(Tch)から中枢温の指標である食道温(Tes)を運動時に推定する精度について検討するため,7 名の被験者を対象に最大酸素摂取量の 20%および 50%の負荷にて 30 分間の自転車運動を 28℃,24℃,20℃の環境温度下にて実施した.Tch は熱流補償法を用いた深部温度計(Coretemp)を前額部に装着し,Tes は熱電対を鼻から挿入して測定した.Tes と Tch の間には全ての環境温度下において有意な相関が認められたが,その決定係数(r2)は環境温度が低くなると低下した(28℃:0.555,24℃:0.647,20℃:0.491).また,環境温度...
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Veröffentlicht in: | 日本生気象学会雑誌 2011, Vol.48(4), pp.119-127 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 熱流補償法を用いて測定した前額部深部温(Tch)から中枢温の指標である食道温(Tes)を運動時に推定する精度について検討するため,7 名の被験者を対象に最大酸素摂取量の 20%および 50%の負荷にて 30 分間の自転車運動を 28℃,24℃,20℃の環境温度下にて実施した.Tch は熱流補償法を用いた深部温度計(Coretemp)を前額部に装着し,Tes は熱電対を鼻から挿入して測定した.Tes と Tch の間には全ての環境温度下において有意な相関が認められたが,その決定係数(r2)は環境温度が低くなると低下した(28℃:0.555,24℃:0.647,20℃:0.491).また,環境温度が低くなると Tch の Tes に対する測定精度(偏りと一致限界)は低下し,応答時間も遅くなった.運動強度についても強度が低下すると環境温度の低下と同様の結果が得られた.以上より,運動時において Tch から Tes を推定する精度は環境温度や運動強度の影響を受けることが明らかになった. |
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ISSN: | 0389-1313 1347-7617 |
DOI: | 10.11227/seikisho.48.119 |