温熱感覚の個人差に関わる環境要因についての実証的研究

本研究では,温熱感覚とその時の気温ならびに個人的要素(性別,BMI,運動経験,居住歴に伴う気候,皮膚温)との関係について調べた.このために,2003年 4 月18日から 5 月13日までの 7 日間,2003年度東京都立大学学部新入生のうちの334名を対象に,温熱感覚に関するアンケート調査,サーモグラフィ画像の撮影および気象観測を体育館内にて実施した. 温熱感覚に関する調査結果より得られた被験者の温熱的中立域は約 21~24℃であった.この温熱的中立域に含まれる被験者54名について詳細に解析したところ,前額部表面皮膚温よりも手部表面皮膚温の方が,温熱感覚とより密接な関係にあった.さらに温熱的中...

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Veröffentlicht in:日本生気象学会雑誌 2006, Vol.43(2), pp.67-77
Hauptverfasser: 松山, 洋, 堀江, 祐圭, 泉, 岳樹, 青木, 健
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では,温熱感覚とその時の気温ならびに個人的要素(性別,BMI,運動経験,居住歴に伴う気候,皮膚温)との関係について調べた.このために,2003年 4 月18日から 5 月13日までの 7 日間,2003年度東京都立大学学部新入生のうちの334名を対象に,温熱感覚に関するアンケート調査,サーモグラフィ画像の撮影および気象観測を体育館内にて実施した. 温熱感覚に関する調査結果より得られた被験者の温熱的中立域は約 21~24℃であった.この温熱的中立域に含まれる被験者54名について詳細に解析したところ,前額部表面皮膚温よりも手部表面皮膚温の方が,温熱感覚とより密接な関係にあった.さらに温熱的中立域では,居住歴に伴う気候(気温)と温熱感覚との関係がより明確になった.特に,就学前幼少期に体験した年平均気温および年最高気温と温熱感覚との間に密接な関係がみられた.これらの結果から,温熱的中立域における温熱感覚の個人差には,生理的反応だけでなく温度環境履歴の違いも影響する可能性が示唆された.
ISSN:0389-1313
1347-7617
DOI:10.11227/seikisho.43.67