口腔粘膜組織欠損部修復におけるポリグリコール酸フェルト およびフィブリン糊スプレーの使用経験
近年,吸収性生体材料であるポリグリコール酸(PGA)シートをフィブリン糊スプレーと併用し,口腔内の粘膜欠損修復材としての使用報告が多くみられる.今回われわれは,口腔粘膜病変切除後にPGAシートとフィブリン糊を応用した10症例,コラーゲン使用人工皮膚を使用した10症例の比較検討を行った.検討項目は手術時間,術後出血,術後疼痛,脱落時期,経口摂取開始時期,瘢痕拘縮の程度とした.PGAシート群では手術時間平均46分,術後出血を認めたものはなかった.術後疼痛を認め鎮痛剤を使用したものは1例だった.シートの脱落時期は術後平均4.9日目,経口摂取開始時期は術後平均5.9日目であった.一方,コラーゲン使用人...
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Veröffentlicht in: | 九州歯科学会雑誌 2012, Vol.66(6), pp.198-203 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年,吸収性生体材料であるポリグリコール酸(PGA)シートをフィブリン糊スプレーと併用し,口腔内の粘膜欠損修復材としての使用報告が多くみられる.今回われわれは,口腔粘膜病変切除後にPGAシートとフィブリン糊を応用した10症例,コラーゲン使用人工皮膚を使用した10症例の比較検討を行った.検討項目は手術時間,術後出血,術後疼痛,脱落時期,経口摂取開始時期,瘢痕拘縮の程度とした.PGAシート群では手術時間平均46分,術後出血を認めたものはなかった.術後疼痛を認め鎮痛剤を使用したものは1例だった.シートの脱落時期は術後平均4.9日目,経口摂取開始時期は術後平均5.9日目であった.一方,コラーゲン使用人工皮膚群では手術時間平均96分,術後出血は認めなかったが術後に鎮痛剤を使用したものは5例だった.シートの脱落時期は術後平均5.3日,経口摂取開始時期は術後平均2.0日だった.瘢痕拘縮はPGAシート群は軽度であった.PGAシートを用いた修復法は手術時間を短縮し、術後出血の予防,術後疼痛と瘢痕拘縮の軽減に有用であると考えられた. |
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ISSN: | 0368-6833 1880-8719 |
DOI: | 10.2504/kds.66.198 |