高度な骨吸収を有する下顎前歯を保存した重度歯周炎患者の一症例

歯周病の治療の目的は歯肉縁下から感染を除去したのち縁上のコントロールをすることで再発を予防することである.歯周病の治療は大きく外科治療と非外科治療に分類されるが,非外科治療には口腔衛生指導,歯肉縁上・下のスケーリング・ルートプレーニングや補助的療法としての化学療法などが含まれる.重度歯周炎の症例では,基本治療だけでは治癒が困難で歯周外科を必要する場合が多い.しかし歯周外科を行ったためにさらに付着の喪失が生じたり,術中あるいは術後に抜歯を決断せざるを得なくなる場合もある.本症例では,重度歯周炎に罹患した下顎前歯部に対して,抜歯を可及的に避けるために非外科的に治療した.治療後6年が経過するが歯周組...

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Veröffentlicht in:九州歯科学会雑誌 2011, Vol.64(6), pp.214-220
Hauptverfasser: 山脇, 健史, 弘岡, 秀明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:歯周病の治療の目的は歯肉縁下から感染を除去したのち縁上のコントロールをすることで再発を予防することである.歯周病の治療は大きく外科治療と非外科治療に分類されるが,非外科治療には口腔衛生指導,歯肉縁上・下のスケーリング・ルートプレーニングや補助的療法としての化学療法などが含まれる.重度歯周炎の症例では,基本治療だけでは治癒が困難で歯周外科を必要する場合が多い.しかし歯周外科を行ったためにさらに付着の喪失が生じたり,術中あるいは術後に抜歯を決断せざるを得なくなる場合もある.本症例では,重度歯周炎に罹患した下顎前歯部に対して,抜歯を可及的に避けるために非外科的に治療した.治療後6年が経過するが歯周組織の健康は維持されている.重度歯周炎に罹患した下顎前歯部の治療法として非外科治療は有用な治療法のひとつと考えられる.
ISSN:0368-6833
1880-8719
DOI:10.2504/kds.64.214