P-3. 矯正的歯の移動はラット三叉神経節衛星細胞におけるNGF発現を誘導する

矯正力による歯の移動により末梢神経が傷害されると, その回復には三叉神経節(TG)において神経成長因子(NGF)が重要な役割を果たす. さらに, TGにおけるニューロン活性化にはその支持細胞である衛星細胞(satelite glial cell;SGCs)の働きが関与している. しかしながら, 末梢神経傷害後のTGニューロンとSGCsの相互関係については明らかでない. SGCsの活性化に対する神経傷害の影響を調べるため, 我々はラット上顎臼歯の矯正的移動を行い, NGFの発現を調べた. ラットの上顎第一, 第二臼歯の間に矯正用ゴムを挿入し, 1, 3, 5, 7日後に灌流固定を行い, TGを取...

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Veröffentlicht in:九州歯科学会雑誌 2010, Vol.64 (4), p.138-138
Hauptverfasser: 蔵田清香, 後藤哲哉, 郡司掛香織, 片岡真司, 中尾加代子, 福田文, 小林繁, 山口和憲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:矯正力による歯の移動により末梢神経が傷害されると, その回復には三叉神経節(TG)において神経成長因子(NGF)が重要な役割を果たす. さらに, TGにおけるニューロン活性化にはその支持細胞である衛星細胞(satelite glial cell;SGCs)の働きが関与している. しかしながら, 末梢神経傷害後のTGニューロンとSGCsの相互関係については明らかでない. SGCsの活性化に対する神経傷害の影響を調べるため, 我々はラット上顎臼歯の矯正的移動を行い, NGFの発現を調べた. ラットの上顎第一, 第二臼歯の間に矯正用ゴムを挿入し, 1, 3, 5, 7日後に灌流固定を行い, TGを取り出した. TGの凍結切片を作成し, 抗NGF抗体と抗glutamine synthetase(GS;SGCsのマーカー)抗体で免疫染色を行った. TGの上顎神経領域でのNGF免疫陽性(IR)SGCsに囲まれたニューロンの総数を計測した. NGF-IR SGCsに囲まれたニューロンの数は, コントロールと比較して矯正的移動開始から3日後に著しく増加し, 5日後にわずかに減少したが, 7日後に再び増加した. 末梢神経傷害によって, 活性化されたSGCsでのNGF発現が増加した, 神経再生によりNGFが作用し, ニューロンにおけるNGFが減少するため, NGFをニューロンに放出することが示唆された.
ISSN:0368-6833