骨再生の基礎的アプローチ

広範囲に広がる骨欠損にインプラントを植立する場合,自家骨移植が第ー選択となるが,自家骨移植を行うには,骨採取部位への外科的侵襲や,採取できる骨の量に制限があることが問題である.近年,様々な分野で再生医療が発展しているが,再生医療は,加齢,病気,怪我や先天的な欠損による組織や器官の失われた機能を回復するために機能的な組織を人工的に作り出すものである.つまり実験室で組織や器官を作り,それらを欠損部位に安全に移植する医療である.再生医療は救命のために臓器移植を必要とする患者の数と比べて移植に利用可能な器官の不足の問題や,さらに患者自身の細胞を用いるので,移植の拒絶を解決することも可能である.本レビュ...

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Veröffentlicht in:九州歯科学会雑誌 2010/10/25, Vol.64(3), pp.74-83
Hauptverfasser: 自見, 英治郎, 平田, 志津, 福島, 秀文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:広範囲に広がる骨欠損にインプラントを植立する場合,自家骨移植が第ー選択となるが,自家骨移植を行うには,骨採取部位への外科的侵襲や,採取できる骨の量に制限があることが問題である.近年,様々な分野で再生医療が発展しているが,再生医療は,加齢,病気,怪我や先天的な欠損による組織や器官の失われた機能を回復するために機能的な組織を人工的に作り出すものである.つまり実験室で組織や器官を作り,それらを欠損部位に安全に移植する医療である.再生医療は救命のために臓器移植を必要とする患者の数と比べて移植に利用可能な器官の不足の問題や,さらに患者自身の細胞を用いるので,移植の拒絶を解決することも可能である.本レビューではまず幹細胞,足場や成長因子などの再生医療の基礎について簡単にまとめる.さらに細胞を用いた歯や口腔領域における骨再生の最新の情報を紹介する.
ISSN:0368-6833
1880-8719
DOI:10.2504/kds.64.74