24. ビスフォスフォネートと顎骨病変 -徳山中央病院での現状

ビスフォスフォネート製剤(以下BP)は, ピロリン酸誘導体で破骨細胞を阻害し強力な骨吸収抑制作用を有する. そのため, 悪性腫瘍における高カルシウム血症や乳癌等の骨合併症の治療や予防, 骨粗鬆症の治療等に有効な薬として広く使用されている. しかし, 2003年に欧米でBP投与中の患者の顎骨壊死(以下, BRONJ)症例が報告されて以来, 難治性の重大な副作用としてとりあげられ, 欧米ではすでに2,500以上の症例が集積されている. その多くは悪性腫瘍に対する注射薬によるものであるが, 最近では骨粗鬆症に対する経口薬での症例も増加しつつある. BRONJ誘発のメカニズムは不明であり, ようやく病...

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Veröffentlicht in:九州歯科学会雑誌 2009, Vol.63 (3), p.156-157
Hauptverfasser: 村木祐孝, 藤田弥千, 田部士郎, 西山祐生, 森久美子, 永尾史徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ビスフォスフォネート製剤(以下BP)は, ピロリン酸誘導体で破骨細胞を阻害し強力な骨吸収抑制作用を有する. そのため, 悪性腫瘍における高カルシウム血症や乳癌等の骨合併症の治療や予防, 骨粗鬆症の治療等に有効な薬として広く使用されている. しかし, 2003年に欧米でBP投与中の患者の顎骨壊死(以下, BRONJ)症例が報告されて以来, 難治性の重大な副作用としてとりあげられ, 欧米ではすでに2,500以上の症例が集積されている. その多くは悪性腫瘍に対する注射薬によるものであるが, 最近では骨粗鬆症に対する経口薬での症例も増加しつつある. BRONJ誘発のメカニズムは不明であり, ようやく病態, 症状に関しての一定の見解が定まりつつある段階で, 適切な予防法, 治療法は未だ確立されていない. 欧米のガイドラインでは, 基本的に口腔内洗浄, 抗菌薬投与, 疼痛管理, 限られた壊死組織の除去などの保存的療法が推奨されている. 今回, 我々の施設でのBPに関連した症例を供覧しつつ, その集計結果や現状に関して, またBP処方医と歯科医, 口腔外科医が綿密に情報交換しながら, 予防と治療を行うことの重要性について報告した.
ISSN:0368-6833