ネパールにおける口腔保健専門家の養成プロジェクトに対する評価

「緒言」地球人口の77%にあたる41億人が途上国に住んでいるが, GNPは地球全体の14%しかなく, この経済のアンバランスが途上国の貧困と混乱の原因である1). 健康も貧困による問題が多く, 先進国による国際協力が必要である. 歯科保健医療も同じ問題を包含している. 1989年からはじめたネパールでの国際歯科保健医療協力2)は13年が経過, 33,469人を対象に歯科診療(10,851人)や口腔保健活動(22,618人)を実施した. 活動の初期は歯科診療中心であったが, 現在は予防歯科を導入した地域保健活動3, 4)を行っている. 活動の主体は初期には日本人隊員が直接歯科診療や口腔保健活動を...

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Veröffentlicht in:九州歯科学会雑誌 2002/08/25, Vol.56(4), pp.152-161
Hauptverfasser: 小宮, 愛恵, 曽根, 智史, 矢野, 裕子, 蒲池, 世史郎, 深井, 穫博, 坪田, 眞, 安部, 一紀, 小川, 孝雄, 西野, 宇信, 中村, 修一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」地球人口の77%にあたる41億人が途上国に住んでいるが, GNPは地球全体の14%しかなく, この経済のアンバランスが途上国の貧困と混乱の原因である1). 健康も貧困による問題が多く, 先進国による国際協力が必要である. 歯科保健医療も同じ問題を包含している. 1989年からはじめたネパールでの国際歯科保健医療協力2)は13年が経過, 33,469人を対象に歯科診療(10,851人)や口腔保健活動(22,618人)を実施した. 活動の初期は歯科診療中心であったが, 現在は予防歯科を導入した地域保健活動3, 4)を行っている. 活動の主体は初期には日本人隊員が直接歯科診療や口腔保健活動を行っていたが, 自立型保健活動を目指そうと1994年の7次隊から現地口腔保健専門家の養成プロジェクトをはじめた. 口腔保健専門家の養成は初歩的な教育コース(初級コース)としてスタートした. しかし, 初級コースを卒業した受講生から学校歯科保健の現場で必要な教材の製作や口腔診査実習などを学習したいとの希望が多く, 初級コースを卒業した受講生が参画する上級コースを設けた. さらに, フッ素洗口を実施するコースも上級コース卒業生を対象に開設した.
ISSN:0368-6833
1880-8719
DOI:10.2504/kds.56.152