顎口腔系の状態および全身状態が重心動揺に及ぼす影響
「緒言」顎関節症患者の中には, 顎関節や咀嚼筋の疼痛, 開口障害, 関節雑音などのいわゆる顎関節症主要症状にとどまらず, 頭痛, 肩こり, 腰痛, 手足のしびれなどの随伴症状を訴える者がいる1). 従来より顎口腔系の異常や状態変化が, 全身に対して影響を及ぼすことや2, 3), 姿勢制御機構にも影響する可能性があることなどが数多く報告されており, このような随伴症状と姿勢制御機構との関連性の評価には重心動揺分析を行ったものが多い. 今回我々は, 顎口腔系の状態および全身状態と重心動揺との関連性について客観的に評価することを目的に, まず顎関節症患者の日常臨床において認められる顎関節症状に加え,...
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Veröffentlicht in: | 九州歯科学会雑誌 2002/08/25, Vol.56(4), pp.141-146 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」顎関節症患者の中には, 顎関節や咀嚼筋の疼痛, 開口障害, 関節雑音などのいわゆる顎関節症主要症状にとどまらず, 頭痛, 肩こり, 腰痛, 手足のしびれなどの随伴症状を訴える者がいる1). 従来より顎口腔系の異常や状態変化が, 全身に対して影響を及ぼすことや2, 3), 姿勢制御機構にも影響する可能性があることなどが数多く報告されており, このような随伴症状と姿勢制御機構との関連性の評価には重心動揺分析を行ったものが多い. 今回我々は, 顎口腔系の状態および全身状態と重心動揺との関連性について客観的に評価することを目的に, まず顎関節症患者の日常臨床において認められる顎関節症状に加え, めまい, 頭痛, 肩こり, 腰痛, 手足のしびれなどの症状や顔面を構成する目, 鼻, 口角や肩の偏位を診査し, スコア化した. つぎに重心動揺分析システムを用いて, 各被験者の重心動揺面積を測定し, 各症状スコアと動揺面積との相関について検討したので報告する. 方法 1. 被験者 被験者は, 顎口腔系に重篤な顎関節症状や他の自覚的症状を認めず, 顎関節症に対して治療経験のない者で, 実験の主旨を理解し承諾を得た本学学生および教職員のボランティア10名(平均年齢27±4.2歳, 男性4名, 女性6名)とした. |
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ISSN: | 0368-6833 1880-8719 |
DOI: | 10.2504/kds.56.141 |