小児における唾液ペルオキシダーゼの活性と齲蝕の関係
我々は, 小児における唾液ペルオキシダーゼ活性と齲蝕との関係について研究した. 4歳から6歳までの小児を対象に刺激唾液を採取した. そして唾液に含まれるちオシアン酸の濃度とpH8と6における唾液ペルオキシダーゼ活性の測定を行った. 同時に唾液のpHと齲蝕活動性試験をおこなった. 口腔内の状態は視覚的に診査され, 齲蝕の程度によりCSI2)を算出した. 得られたデータは統計学的に処理され以下の結果を得た. チオシアン酸の濃度はCSI(-)の群よりCSI(+)の群の方が高かった. 唾液ペルオキシダーゼ活性はCSI(-)の群よりCSI(+)の群の方が高かった. CSIと唾液ペルオキシダーゼ活性の間に...
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Zusammenfassung: | 我々は, 小児における唾液ペルオキシダーゼ活性と齲蝕との関係について研究した. 4歳から6歳までの小児を対象に刺激唾液を採取した. そして唾液に含まれるちオシアン酸の濃度とpH8と6における唾液ペルオキシダーゼ活性の測定を行った. 同時に唾液のpHと齲蝕活動性試験をおこなった. 口腔内の状態は視覚的に診査され, 齲蝕の程度によりCSI2)を算出した. 得られたデータは統計学的に処理され以下の結果を得た. チオシアン酸の濃度はCSI(-)の群よりCSI(+)の群の方が高かった. 唾液ペルオキシダーゼ活性はCSI(-)の群よりCSI(+)の群の方が高かった. CSIと唾液ペルオキシダーゼ活性の間には相関関係が認められ, チオシアン酸濃度と唾液ペルオキシダーゼ活性の間にも相関が見られた. pH8における唾液ペルオキシダーゼの活性とLactobacillusの間には相関関係があったがpH6における活性との間には相関は見られなかった. S. mutansではpH8と6の双方において唾液ペルオキシダーゼ活性との間に相関は見られなかった. CSI(-)の群よりCSI(+)の群の方が過酸化水素の生成が早い可能性がありまたS. mutansよりLactobacilliの方が発生する過酸化水素の量が多い可能性が示唆された. また唾液ペルオキシダーゼ/チオシアン酸システムは口腔内の過酸化水素を分解し, ヒポチオシアン酸を形成し細菌の成長を阻害する可能性がある. |
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ISSN: | 0368-6833 |