Stimulation of the neostriatum induces jaw-opener muscle activity, but not jaw-closer muscle activity : an electromyographic study in the rat

「主論文の要旨」 新線条体における咀嚼筋再現部位として, 相異なる2つの部位, ventrolateral striatumとmid-central striatumが提議されている(Jicha&Salamone, 1991;Nakamura et al., 1990). この問題を解明する目的で, まず連続微小刺激法を用いて軽麻酔ラットの片側背側線条体を0.5mm間隔で広範囲にmappingした. 検索した36トラックのうち, 隣接する2トラックにおいて連続微小刺激に同期した0.3mV程度の振幅のEMG活動が同側顎二腹筋前腹のみに誘発され, 咬筋および側頭筋の閉日筋には全く誘発されな...

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Veröffentlicht in:九州歯科学会雑誌 1999, Vol.53 (1), p.284-285
1. Verfasser: 橋本元伸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「主論文の要旨」 新線条体における咀嚼筋再現部位として, 相異なる2つの部位, ventrolateral striatumとmid-central striatumが提議されている(Jicha&Salamone, 1991;Nakamura et al., 1990). この問題を解明する目的で, まず連続微小刺激法を用いて軽麻酔ラットの片側背側線条体を0.5mm間隔で広範囲にmappingした. 検索した36トラックのうち, 隣接する2トラックにおいて連続微小刺激に同期した0.3mV程度の振幅のEMG活動が同側顎二腹筋前腹のみに誘発され, 咬筋および側頭筋の閉日筋には全く誘発されなかった. この"線条体顎領域"は(1)正中線から3.0mm側方, bregmaから0.3mm後方, 脳表面から4.4~4.5mmの深さ, ならびに(2)正中線から3.5mm側方, bregmaから0.3mm後方, 脳表面から4.8~5.1mmの深さにあり, 前頭断切片において前交連後縁レベルの線条体中央部の非常に限局された部位にあった. 線条体顎領域に直接投射線維を送る大脳皮質錐体細胞を両側性に破壊後30分および72時間に連続微小刺激効果を調べたところ, 破壊前のものと同等大又は同等以上の振幅をもつEMG活動が顎二腹筋前腹に出現したが, 閉口筋には出現しなかった. つぎに線条体顎領域にカイニン酸を微量注入し, 線条体の通過線維は温存するが, 細胞体成分のみの破壊を試みた. 72時間後に連続微小刺激を行ったところ, 顎二腹筋活動は消失した. さらに微小ガラス管にエルジロイ微小刺激電極を封入した同心ガラス管エルジロイ電極を用いて, 連続微小刺激による顎二腹筋EMG活動を指標に電極を線条体顎領域に誘導した後, 皮質線条体単シナプス経路の伝達物質であるnon-NMDA型興奮性アミノ酸のカイニン酸をPicoPumpを使って微量吐出したところ, 左右側顎二腹筋に同期した同等大の振幅をもつ反復性バースト活動が誘発された. 以上の結果から, ラットの前交連後縁レベルの限局したmid-central striatumに開口筋のみに活動を引き起こす皮質線条体ニューロン群の存在が提議される. 「論文審査結果の要旨」 新線条体における咀囎筋再現部位として, 相異なる2つの部位, ventrolateral striatumとmid-central striatumが提議されている(Jicha&Salamone, 1991;Nakamura et al., 1990). この問題を解明する目的で, まず連続微小刺激法を用いて軽麻酔ラットの片側背側線条体を0.5mm間隔で広範囲にmappingした. 検索した36トラックのうち, 隣接する2トラックにおいて連続微小刺激に同期した0.3mV程度の振幅のEMG活動が同側顎二腹筋前腹のみに誘発され, 咬筋および側頭筋の閉口筋には全く誘発されなかった. この"線条体顎領域"は(1)正中線から3.0mm側方, bregmaから0.3mm後方, 脳表面から4.4~4.5mmの深さ, ならびに(2)正中線から3.5mm側方, bregmaから0.3mm後方, 脳表面から4.8~5.1mmの深さにあり, 前頭断切片において前交連後縁レベルの線条体中央部の非常に限局された部位にあった. 線条体顎領域に直接投射線維を送る大脳皮質錐体細胞を両側性に破壊後30分および72時間に連続微小刺激効果を調べたところ, 破壊前のものと同等大又は同等以上の振幅をもつEMG活動が顎二腹筋前腹に出現したが, 閉口筋には出現しなかった. つぎに線条体顎領域にカイニン酸を微量注入し, 線条体の通過線維は温存するが, 細胞体成分のみの破壊を試みた. 72時間後に連続微小刺激を行ったところ, 顎二腹筋活動は消失した. さらに微小ガラス管にエルジロイ微小刺激電極を封入した同心ガラス管エルジロイ電極を用いて, 連続微小刺激による顎二腹筋EMG活動を指標に電極を線条体顎領域に誘導した後, 皮質線条体単シナプス経路の伝達物質であるnon-NMDA型興奮性アミノ酸のカイニン酸をPicoPumpを使って微量吐出したところ, 左右側顎二腹筋に同期した同等大の振幅をもつ反復性バースト活動が誘発された. 以上の結果から, ラットの前交連後縁レベルの限局したmid-central striatumに開口筋のみに活動を引き起こす皮質線条体ニューロン群の存在が提議される. 以上述べた研究成果は, 開口筋に興奮性影響を及ぼす皮質線条体ニューロンの局在部位と, その刺激により誘発される開口筋活動の性質を初めて明らかにしたものであり, 学位論文として価値あるものと認めた.
ISSN:0368-6833