著明な石灰化を呈した頸部結核性リンパ節炎の一例
「緒言」結核症は, そのほとんどが肺結核で, 結核化学療法の進歩にともない諸臓器の結核症は著しく減少している1). とくに, 結核性リンパ節炎などの肺外結核症は1割以下の頻度とされている1, 2). 顎, 口腔領域の領域リンパ節に結核症が発現する場合は顎下部および頸部リンパ節に好発するが, きわめてまれといわれている2). 今回, 私たちは肺および他の部位に結核病巣が認められず, また, 結核の既往もなく, 著明な石灰化を呈した頸部結核性リンパ節炎の一例を経験したので, その文献的な考察を加え報告する. 症例 患者:69歳, 女性, 無職. 初診:平成7年2月1日. 主訴:右側頸部の腫瘤. 家...
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Veröffentlicht in: | 九州歯科学会雑誌 1998/08/25, Vol.52(4), pp.437-441 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」結核症は, そのほとんどが肺結核で, 結核化学療法の進歩にともない諸臓器の結核症は著しく減少している1). とくに, 結核性リンパ節炎などの肺外結核症は1割以下の頻度とされている1, 2). 顎, 口腔領域の領域リンパ節に結核症が発現する場合は顎下部および頸部リンパ節に好発するが, きわめてまれといわれている2). 今回, 私たちは肺および他の部位に結核病巣が認められず, また, 結核の既往もなく, 著明な石灰化を呈した頸部結核性リンパ節炎の一例を経験したので, その文献的な考察を加え報告する. 症例 患者:69歳, 女性, 無職. 初診:平成7年2月1日. 主訴:右側頸部の腫瘤. 家族歴, 既往歴:特記事項なし. 原病歴:約10年前より右側頸部に腫瘤を認め, 某外科医院にて切開, 排膿術を受けた. それ以後2回にわたって切開, 排膿の処置を受けた. その際, 内容物は石灰化様であるといわれた. 平成7年1月ころより, 右側頸部(前回と同部)に無痛性の腫瘤を自覚したため, 某病院歯科を受診し, 投薬を受けるも症状が改善しないため, 紹介により来院した. |
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ISSN: | 0368-6833 1880-8719 |
DOI: | 10.2504/kds.52.437 |