高タンパク食摂取による下顎頭軟骨の成長に関する実験的研究

「緒言」近年, 免疫, 感染機構の解明に伴い, 栄養失調, 特にタンパク質欠乏と免疫, 感染との関係が明らかになってきている. つまり, 免疫, 感染にタンパク質の栄養状態が大きな影響を及ぼしており, 感染や免疫力に対する十分な抵抗性を獲得し, かつ健康な子孫を得るためには, タンパク質の摂取量に留意する必要のあることが提唱されている1). また, 高タンパク食摂取は, 腸管におけるカルシウム吸収を助長し, 骨構築の促進に有効であるとされてきた2). しかしその一方で, 高タンパク食摂取は尿中カルシウム排泄量を増加させ, 負のカルシウム平衡を惹起し, 骨構築に負の影響を与えるという報告も多数み...

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Veröffentlicht in:九州歯科学会雑誌 1998/08/25, Vol.52(4), pp.369-386
1. Verfasser: 秀島, 治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」近年, 免疫, 感染機構の解明に伴い, 栄養失調, 特にタンパク質欠乏と免疫, 感染との関係が明らかになってきている. つまり, 免疫, 感染にタンパク質の栄養状態が大きな影響を及ぼしており, 感染や免疫力に対する十分な抵抗性を獲得し, かつ健康な子孫を得るためには, タンパク質の摂取量に留意する必要のあることが提唱されている1). また, 高タンパク食摂取は, 腸管におけるカルシウム吸収を助長し, 骨構築の促進に有効であるとされてきた2). しかしその一方で, 高タンパク食摂取は尿中カルシウム排泄量を増加させ, 負のカルシウム平衡を惹起し, 骨構築に負の影響を与えるという報告も多数みられる3-8). 今日では, 国民の食生活も豊かになり, この状況は, そのまま国民のタンパク質摂取量増加につながっている9). しかし国民のカルシウム摂取量は所要量に達しておらず, さらにわが国では消化管から吸収されにくい植物性の食品によるカルシウム摂取量は依存する傾向が多いことから, 高タンパク食摂取とカルシウムの吸収量, 効率, 高タンパク食摂取と骨構築との関係を明らかにすることは大変重要であるといえる10).
ISSN:0368-6833
1880-8719
DOI:10.2504/kds.52.369