1. 硬質レジン歯の審美的修正に関する研究 : 機械的強度および臨床例(第 57 回九州歯科学会総会講演抄録)

市販の硬質レジン歯は, 3~4種類の色調と形態の組み合わせの中から選択できるが, 部分床義歯の症例では残存歯に対する色調や形態の調和は不十分な場合がある. そこで前装冠用光重合硬質レジンを用いて硬質レジンの修正を行うことは有用性が高いと考え, 両者の接着強さについて検討した. また臨床例において部分床義歯の前歯部人工歯に光重合レジンを用いて修正を行った. 硬質レジン歯(ENDURA, 松風社)の各層(enamel, dentinおよびbase)からφ5.0×3mmの試料を製作した. すべての試料の接着面は#400のサンドペーパーで処理し, 光重合レジンペースト(SOLIDEX, 松風社)を各試...

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Veröffentlicht in:九州歯科学会雑誌 1997/08/25, Vol.51(4), pp.513-514
Hauptverfasser: 城戸, 寛史, 永富, 勝広, 尾座本, まゆみ, 岩谷, 秀明, 堀, 孝良, 安元, かずお, 久保, 雅晴, 守川, 雅男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:市販の硬質レジン歯は, 3~4種類の色調と形態の組み合わせの中から選択できるが, 部分床義歯の症例では残存歯に対する色調や形態の調和は不十分な場合がある. そこで前装冠用光重合硬質レジンを用いて硬質レジンの修正を行うことは有用性が高いと考え, 両者の接着強さについて検討した. また臨床例において部分床義歯の前歯部人工歯に光重合レジンを用いて修正を行った. 硬質レジン歯(ENDURA, 松風社)の各層(enamel, dentinおよびbase)からφ5.0×3mmの試料を製作した. すべての試料の接着面は#400のサンドペーパーで処理し, 光重合レジンペースト(SOLIDEX, 松風社)を各試料の接着面に厚さ約3mmに築盛後, 3分間の光照射により重合して引張り試験用試料を完成した. 引張り試験用試料は, 接着面に液状レジン(Stain Liquid, 松風社)を塗布した場合と塗布しない場合について, 人工歯の各層につき10個づつ準備した. また20℃室温水と60℃温水にenamel-層の試料を1分間づつ浸漬して500回の熱サイクル試験を行い, 熱サイクル前後の接着強さを比較した. 試験用試料は二本のアルミニウム棒の間に即時重合レジンで固定し, Crosshead speed 2mm/minにて引っ張り試験を行った. また, 臨床例では, 7-4, 1-7欠損の部分床義歯において光重合レジンによる前歯部の修正を行った. 接着面に液状レジンを塗布しない場合では, 硬質レジンのenamel-層と光重合レジンの接着強さは他の層と比較して約3倍であった. また, 接着面に液状レジンを塗布した場合では, 硬質レジンのenamel-層およびdentin-層と光重合レジンの接着強さは液状レジンを使用しないenamel-層の結果の約2倍であった. しかし, 接着面に液状レジンを塗布したenamel-層およびdentin-層の試料では, 多くの引張試験用試料において人工歯材料の試料内部に破壊が生じた. 従って, 接着強さを正確に評価するために更に検討が必要である. 熱サイクル前後の接着強さの比較では熱サイクルによる接着力の低下は認められなかった. 臨床例において, 光重合レジンによる人工歯の修正によって残存歯と良好な調和が得られた, 今後, 臨床例について長期的な予後を観察する予定である.
ISSN:0368-6833
1880-8719
DOI:10.2504/kds.51.513_2