歯科診療に伴う針刺傷事故の検討
「緒言」医療行為に伴う患者血液体液による汚染によって, 医療従事者は血液関連型ウイルスへの感染の危険にしばしば晒される. 特に歯科診療には観血的処置が不可欠であり, 汚染事故の頻度も高い. しかしながら, 医療従事者が皆, この汚染事故の重大性を認識しているとは, 未だ言い難い. 我々は近年機会を得る毎に, 九州歯科大学附属病院内の職員学生に対して, このような汚染事故の予防と事故発生時の対策を啓蒙している. 同時に1993年以降は, 事故に遭遇した医療従事者(以下, 受傷者)に対して, 当科外来での検査治療を受けるよう指導している. ここでは, 当科にて診療を受けた受傷者に関する情報をもとに...
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Veröffentlicht in: | 九州歯科学会雑誌 1996/04/25, Vol.50(2), pp.411-414 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」医療行為に伴う患者血液体液による汚染によって, 医療従事者は血液関連型ウイルスへの感染の危険にしばしば晒される. 特に歯科診療には観血的処置が不可欠であり, 汚染事故の頻度も高い. しかしながら, 医療従事者が皆, この汚染事故の重大性を認識しているとは, 未だ言い難い. 我々は近年機会を得る毎に, 九州歯科大学附属病院内の職員学生に対して, このような汚染事故の予防と事故発生時の対策を啓蒙している. 同時に1993年以降は, 事故に遭遇した医療従事者(以下, 受傷者)に対して, 当科外来での検査治療を受けるよう指導している. ここでは, 当科にて診療を受けた受傷者に関する情報をもとに, 当院での汚染事故の現況をまとめる. 「対象と方法」1993年1月から1995年12月までの3年間に, 当科外来を受診した受傷者を対象とした. 受傷者の職種, 事故の状況, 事故の対象となった患者の病歴を聴取するとともに, 患者および受傷者より採血し, 肝炎ウイルス関連検査, 肝機能検査を施行した. 患者のC型肝炎ウイルス(HCV)抗体が陽性の場合には, 受傷者に対して受傷24週後まで4週毎の再検査を, 同じくB型肝炎ウイルス(HBV)抗原陽性の場合にはさらに頻回の再検査を指示した. |
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ISSN: | 0368-6833 1880-8719 |
DOI: | 10.2504/kds.50.411 |