急性期病院における後方連携の課題: 退院後の転帰からみえてきたもの
急性期病院は、スムーズな在宅復帰の支援が求められており、退院調整にあたり、患者への早期介入は必要不可欠である。しかし、早期介入をしていても、入院前の居住形態に戻れず、退院調整が難航する事例も少なくない。本研究は、退院調整に難航する事例の特性を調査することを目的とした。対象は、2018年6月1日から2018年6月30日の間に退院した患者657名とした。分析の結果、約1割の患者は入院前の居住形態に戻れず、その多くは、自宅、サービス付き高齢者向け住宅/有料老人ホームから入院して他院に転院した患者(53名)であった。これらの患者は、平均年齢81.2歳と高齢であり、誤嚥性肺炎などの呼吸器系疾患、骨折など...
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Veröffentlicht in: | 日本医療マネジメント学会雑誌 2019/09/01, Vol.20(2), pp.66-70 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 急性期病院は、スムーズな在宅復帰の支援が求められており、退院調整にあたり、患者への早期介入は必要不可欠である。しかし、早期介入をしていても、入院前の居住形態に戻れず、退院調整が難航する事例も少なくない。本研究は、退院調整に難航する事例の特性を調査することを目的とした。対象は、2018年6月1日から2018年6月30日の間に退院した患者657名とした。分析の結果、約1割の患者は入院前の居住形態に戻れず、その多くは、自宅、サービス付き高齢者向け住宅/有料老人ホームから入院して他院に転院した患者(53名)であった。これらの患者は、平均年齢81.2歳と高齢であり、誤嚥性肺炎などの呼吸器系疾患、骨折などの整形外科疾患、脳神経疾患に罹患している患者が約6割を占めていた。いずれも高齢者が罹患すれば、退院後の生活に支障をきたす疾患であり、自宅やサービス付き高齢者向け住宅/有料老人ホームには戻れずに転院して治療を継続する可能性が高いことが予想される。このような患者の場合、早期介入は勿論のこと、転院の可能性が高いことを念頭に、早い段階から患者や家族への説明や理解を得ることが重要となってくる。退院の目処のつく前から後方病院とも情報交換をすることで、スムーズな転院先の確保や退院につながるものと考える。 |
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ISSN: | 1881-2503 1884-6807 |
DOI: | 10.11191/jhm.20.66 |