転倒転落事故予防に向けた入院患者の起き上がり動作分析 −第一報

入院患者のベッドからの転倒転落事故の予防は重要である。患者へのアセスメントやベッドセンサ等の対策を講じているにも関わらず、特に夜間、高齢者でインシデントが多く発生している。有効な転倒転落事故予防方法の検討を行うためには、実際に危険性のある患者が夜間どのような動作でベッドから起き上がっているか調査する必要がある。本研究では、赤外線カメラを用いて起き上がり映像を取得し、動作を分析した。被験者は都内の病院で同意が得られた70代から90代の高齢の入院患者5名である。 具体的には、夜9時から翌朝8時までの映像について、患者5名で合計23日分を分析した。その結果、起き上がり動作の総数は299回で、うち端座...

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Veröffentlicht in:日本医療マネジメント学会雑誌 2010/05/01, Vol.11(1), pp.31-35
Hauptverfasser: 平澤, 桂一, 松村, 成宗, 茂木, 学, 山田, 智広, 武藤, 伸洋, 金丸, 直義, 下倉, 健一朗, 阿部, 匡伸, 森田, 佳子, 葛西, 圭子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:入院患者のベッドからの転倒転落事故の予防は重要である。患者へのアセスメントやベッドセンサ等の対策を講じているにも関わらず、特に夜間、高齢者でインシデントが多く発生している。有効な転倒転落事故予防方法の検討を行うためには、実際に危険性のある患者が夜間どのような動作でベッドから起き上がっているか調査する必要がある。本研究では、赤外線カメラを用いて起き上がり映像を取得し、動作を分析した。被験者は都内の病院で同意が得られた70代から90代の高齢の入院患者5名である。 具体的には、夜9時から翌朝8時までの映像について、患者5名で合計23日分を分析した。その結果、起き上がり動作の総数は299回で、うち端座位に至るものは128回であった。手すりの使用と長座位の有無、動作の順序に着目して分類すると、基本的な動作パターンは5種類に分類可能であった。また、起き上がり時に手すりを利用する割合は約8割であった。ベッドからの転倒転落事故を予防する手法として、手すりを把持することと長座位になったことを合わせて検知することが有効であると考えられる。
ISSN:1881-2503
1884-6807
DOI:10.11191/jhm.11.31