がん化学療法におけるお薬手帳の臨床的有用性

鹿児島厚生連病院では、化学療法手順書を独自のお薬手帳に貼付し、情報提供と副作用管理を可能とした。情報提供開始により、患者による治療の確認が可能となり、がん化学療法に関するインシデント・アクシデント報告は開始前後の 6 ヶ月間で 4 件から 2 件に減少した。また、副作用の管理が可能となり、内服 5-HT3受容体拮抗型制吐剤の処方件数は開始前後 6 ヶ月間で約2.1倍に増加した。さらに、当院でもっとも使用されているパクリタキセル・カルボプラチン療法の副作用による投与継続が困難となった件数は、開始前後 6 ヶ月で 5 件( 3 件が食欲不振、悪心)から、開始後は好中球減少による 1 件に減少した。...

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Veröffentlicht in:日本医療マネジメント学会雑誌 2009/12/01, Vol.10(3), pp.510-514
Hauptverfasser: 佐多, 照正, 田中, 和子, 岩下, 佳敬
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:鹿児島厚生連病院では、化学療法手順書を独自のお薬手帳に貼付し、情報提供と副作用管理を可能とした。情報提供開始により、患者による治療の確認が可能となり、がん化学療法に関するインシデント・アクシデント報告は開始前後の 6 ヶ月間で 4 件から 2 件に減少した。また、副作用の管理が可能となり、内服 5-HT3受容体拮抗型制吐剤の処方件数は開始前後 6 ヶ月間で約2.1倍に増加した。さらに、当院でもっとも使用されているパクリタキセル・カルボプラチン療法の副作用による投与継続が困難となった件数は、開始前後 6 ヶ月で 5 件( 3 件が食欲不振、悪心)から、開始後は好中球減少による 1 件に減少した。今回取り組んだお薬手帳を用いた情報提供は、がん化学療法を行う上で有用である事が示唆された。
ISSN:1881-2503
1884-6807
DOI:10.11191/jhm.10.510