看護師への意識調査によるクリティカルパスの現状評価

恩賜財団済生会横浜市南部病院では、医療サービスの標準化、チーム医療の推進を目的として2001年からクリティカルパスが導入されている。そこで本研究では、病棟看護師を対象にアンケート調査を実施し、看護師の意識からクリティカルパス導入の効果を把握した。その結果、クリティカルパス導入により各診療科の治療処置及び看護ケアはある程度統一され、全体的に業務効率の向上が確認された。これは導入目的の1つである医療サービスの標準化における効果の現れといえる。しかし、クリティカルパスによっては医療の標準化や患者サービスの向上について肯定的な割合が高くないものもあり、それらの見直しの必要性も見えてきた。また、クリティ...

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Veröffentlicht in:日本医療マネジメント学会雑誌 2009/09/01, Vol.10(2), pp.426-431
Hauptverfasser: 阿部, 祝子, 大江, 洋一, 西村, 治彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:恩賜財団済生会横浜市南部病院では、医療サービスの標準化、チーム医療の推進を目的として2001年からクリティカルパスが導入されている。そこで本研究では、病棟看護師を対象にアンケート調査を実施し、看護師の意識からクリティカルパス導入の効果を把握した。その結果、クリティカルパス導入により各診療科の治療処置及び看護ケアはある程度統一され、全体的に業務効率の向上が確認された。これは導入目的の1つである医療サービスの標準化における効果の現れといえる。しかし、クリティカルパスによっては医療の標準化や患者サービスの向上について肯定的な割合が高くないものもあり、それらの見直しの必要性も見えてきた。また、クリティカルパスの運用において、看護師は、医師の指示の追加変更や脱落時の看護計画を煩雑に感じ、パターン化された業務の継続を求めるという傾向が窺えた。クリティカルパス導入効果としてリスクマネジメント、チーム医療の充実を挙げる回答が低く留まったことと併せ、これらは今後の推進活動の課題といえる。
ISSN:1881-2503
1884-6807
DOI:10.11191/jhm.10.426