PSA高値の前立腺がん疑い患者を対象とした地域連携クリティカルパス

血清前立腺特異抗原 (PSA) 高値で生検陰性例を地域において適切にかつ効率的に経過観察していくために、地域かかりつけ医と泌尿器科医が情報を共有して患者を経過観察する地域連携クリティカルパスの作成を試みた。東京都新宿区牛込地区の開業医48人にアンケートを依頼し、前立腺がんの検査、経過観察などに関して、診療を依頼可能であるかを検討した。この結果に基づき、地域連携クリティカルパス (案) を提案した。さらに、かかりつけ医との地域連携のための会合を通じて、検討および修正を加えた。回答を得た28人のかかりつけ医のうち23人 (82%) が、前立腺がん疑い例に対するPSAの経過観察を積極的にあるいは条件...

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Veröffentlicht in:日本医療マネジメント学会雑誌 2007/09/01, Vol.8(2), pp.381-385
Hauptverfasser: 赤倉, 功一郎, 松崎, 香奈子, 中島, 敏彦, 加藤, 智規, 木藤, 宏樹, 溝口, 研一, 中村, 剛
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:血清前立腺特異抗原 (PSA) 高値で生検陰性例を地域において適切にかつ効率的に経過観察していくために、地域かかりつけ医と泌尿器科医が情報を共有して患者を経過観察する地域連携クリティカルパスの作成を試みた。東京都新宿区牛込地区の開業医48人にアンケートを依頼し、前立腺がんの検査、経過観察などに関して、診療を依頼可能であるかを検討した。この結果に基づき、地域連携クリティカルパス (案) を提案した。さらに、かかりつけ医との地域連携のための会合を通じて、検討および修正を加えた。回答を得た28人のかかりつけ医のうち23人 (82%) が、前立腺がん疑い例に対するPSAの経過観察を積極的にあるいは条件により受け入れ可能であると回答した。そこで、かかりつけ医でスクリーニングPSA検査、泌尿器科専門医で精密検査および前立腺生検、がん陰性であれば再びかかりつけ医でPSAの経過観察をする地域連携クリティカルパスを作成した。かかりつけ医への逆紹介の際には、泌尿器科医が、個々の症例に対して、PSAの検査間隔を指示し、再紹介の条件となるPSA値を明らかにした。以上より、地域かかりつけ医と連携し、前立腺がん検査患者を対象として、経過観察、再紹介などの方法や評価を共有する地域連携クリティカルパスを作成した。これにより、前立腺がん疑い患者を地域にて適切に効率よく経過観察可能であると期待される。
ISSN:1881-2503
1884-6807
DOI:10.11191/jhm2006.8.381