クリティカルパスの臨床試験への導入

肺炎患者を対象としたカルバペネム系抗菌薬のドリペネム水和物0.25g×3回/日投与の有効性・安全性及び薬物動態を検討する製造販売後臨床試験を実施するために、クリティカルパスを作成した。退院基準は「発熱がない」「検査値・胸部X線写真上の改善」とし、退院日を入院9日目とした。試験実施計画書に規定されている検査・観察・薬剤投与と治療に必要な項目を調整し、試験責任医師・看護師と治験コーディネーターが協同で「ドリペネムクリティカルパス」を作成した。 臨床試験は治療と平行して行われるため、通常の治療とは異なる検査・観察項目が必要であるが、クリティカルパスに組み込むことによって、臨床試験と治療は問題なく行わ...

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Veröffentlicht in:日本医療マネジメント学会雑誌 2007/03/01, Vol.7(4), pp.504-510
Hauptverfasser: 久保, 美紀子, 森松, 嘉孝, 田尻, 守拡, 市下, 由美, 林, 淳一郎, 中川, 義浩, 冨澤, 達, 河野, 文夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:肺炎患者を対象としたカルバペネム系抗菌薬のドリペネム水和物0.25g×3回/日投与の有効性・安全性及び薬物動態を検討する製造販売後臨床試験を実施するために、クリティカルパスを作成した。退院基準は「発熱がない」「検査値・胸部X線写真上の改善」とし、退院日を入院9日目とした。試験実施計画書に規定されている検査・観察・薬剤投与と治療に必要な項目を調整し、試験責任医師・看護師と治験コーディネーターが協同で「ドリペネムクリティカルパス」を作成した。 臨床試験は治療と平行して行われるため、通常の治療とは異なる検査・観察項目が必要であるが、クリティカルパスに組み込むことによって、臨床試験と治療は問題なく行われた。また、臨床試験用クリティカルパスは患者の病状経過が把握しやすく、速やかに治療が変更できた症例もあった。 当院では入院患者の50%以上にクリティカルパスが使用されてクリティカルパスによる医療に長けているため、クリティカルパスを臨床試験にを組み込むことによって質の高い臨床試験と標準的な医療の提供が可能となる。また治験実施計画書からの逸脱も同避でき、治験依頼者にとっても、原資料の直接閲覧が容易となり迅速かつ正確なデータ収集が可能となる。
ISSN:1881-2503
1884-6807
DOI:10.11191/jhm2006.7.504