当科における大腿骨頚部骨折クリティカルパス: 急性期病棟入院期間遷延因子の検討

骨粗鬆症による代表的骨折の大腿骨頚部骨折は, 高齢社会の日本において高頻度に遭遇する疾患であり, 本骨折の手術治療は確立され, 手術成績は一定している.高齢者特有の骨折とも言える本疾患は, 手術治療はもとより, 合併症の存在や患者個々の活動性により術後経過に差が見られる傾向にある.従来, 当科では本骨折の手術治療に, 入院から退院まで約6週間を要してきた.その後, 平成15年10月から回復期リハビリテーション病棟が当院に新設され, 約20日前後で急性期病棟 (整形外科病棟) を退院することが可能となってきた.しかし, 依然, 長期入院を要する症例が散見されるため, 大腿骨頚部骨折の手術治療を行...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医療マネジメント学会雑誌 2005/12/01, Vol.6(3), pp.517-520
Hauptverfasser: 西尾, 悠介, 竹内, 建人, 長汐, 亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:骨粗鬆症による代表的骨折の大腿骨頚部骨折は, 高齢社会の日本において高頻度に遭遇する疾患であり, 本骨折の手術治療は確立され, 手術成績は一定している.高齢者特有の骨折とも言える本疾患は, 手術治療はもとより, 合併症の存在や患者個々の活動性により術後経過に差が見られる傾向にある.従来, 当科では本骨折の手術治療に, 入院から退院まで約6週間を要してきた.その後, 平成15年10月から回復期リハビリテーション病棟が当院に新設され, 約20日前後で急性期病棟 (整形外科病棟) を退院することが可能となってきた.しかし, 依然, 長期入院を要する症例が散見されるため, 大腿骨頚部骨折の手術治療を行った患者を入院期間で2群分けし, 入院期間に影響した因子を調査・検討した.その結果, 術後入院期間が3週間以上の長期になる群では,(1) 85歳以上の高齢,(2) 治療を要する合併症の存在,(3) 車椅子移乗までの日数, の3要因が関与することがわかった.これら (1),(2) の要因を有する患者に対しては, 独自のクリティカルパスが必要であり, また, 術後は早期に車椅子移乗を開始することが望ましいと考えられる.
ISSN:1345-6903
1884-6793
DOI:10.11191/jhm2000.6.517