外来オーダーエントリーシステムの効果: 外来待ち時間の分析

国立病院長崎医療センターは2002年3月より病棟部門においてオーダーエントリーシステムを導入した。同年10月の外来部門運用開始に伴い、待ち時間分析を行い、医療の質向上への効果を検討した。対象は2002年10月より翌年4月までの毎月第3週に国立病院長崎医療センターを受診した21,486例中、分析可能だった15,185名。システムに自動記録された受付時間と会計時間の差分から平均院内滞在時間を算出した。期間内の平均は1時間45分であり、初診が2時間21分に対し、再診では1時間41分だった。診療科別では、最も平均滞在時間が長かった診療科が2時間12分、最も短かった診療科では1時間6分であり、その差は1...

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Veröffentlicht in:医療マネジメント学会雑誌 2004/03/01, Vol.4(4), pp.497-501
Hauptverfasser: 松本, 武浩, 木村, 博典, 山田, 久美子, 古賀, 満明, 向原, 茂明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:国立病院長崎医療センターは2002年3月より病棟部門においてオーダーエントリーシステムを導入した。同年10月の外来部門運用開始に伴い、待ち時間分析を行い、医療の質向上への効果を検討した。対象は2002年10月より翌年4月までの毎月第3週に国立病院長崎医療センターを受診した21,486例中、分析可能だった15,185名。システムに自動記録された受付時間と会計時間の差分から平均院内滞在時間を算出した。期間内の平均は1時間45分であり、初診が2時間21分に対し、再診では1時間41分だった。診療科別では、最も平均滞在時間が長かった診療科が2時間12分、最も短かった診療科では1時間6分であり、その差は1時間6分であった。月別にみると、総平均院内滞在時間は徐々に減少しており、開始後前半3ヶ月と後半3ヶ月を比較したところ、17診療科中11診療科で最大34分の時間短縮がみられた。システム導入前に、外来運用フローを抜本的に見直し、曖昧だった医師、看護師、事務職員の業務分担を明確にした。診療科によっては医師の負担は増えた上、新たな操作が加わることにより待ち時間増加の懸念もあったが、結果として院内滞在時間は減少した。一方で医師のサポート業務から開放された外来看護師は、個々の業務が効率化し、外来看護ケアの時間が増えた。情報システム導入の効果を明確に示した報告は少なく、費用対効果が疑問視される中、当院において改善がみられた理由は、導入前の運用フローの見直しとそのシステム化によってもたらされたものと考えた。
ISSN:1345-6903
1884-6793
DOI:10.11191/jhm2000.4.497