PP-04 精神性疲労に及ぼす意欲の影響 ―脳波の偏側性に着目して
疲労とは過度の身体的・精神的活動により生じる身体機能の減退状態と定義される. しかし, 個人の主観的疲労感には様々な修飾要素が影響しており, その中でも意欲は疲労を一時的にマスクする効果をもつと考えられている. そこで本研究では, 長時間精神作業負荷を行い, 作業後半には意欲を向上させる教示を行ったときの脳波活動の変化から, 意欲が精神性疲労にもたらす影響を検討することとした. 脳波の前頭部左右半球差が情動などの個人特性を反映して変化を示すとされていることから, 課題に対する心的負担を反映する指標として分析を行う. 大学生・大学院生6名を被験者とし, 精神作業として視覚探索課題を負荷し, 課題...
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Veröffentlicht in: | バイオフィードバック研究 2010, Vol.37 (1), p.68-68 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 疲労とは過度の身体的・精神的活動により生じる身体機能の減退状態と定義される. しかし, 個人の主観的疲労感には様々な修飾要素が影響しており, その中でも意欲は疲労を一時的にマスクする効果をもつと考えられている. そこで本研究では, 長時間精神作業負荷を行い, 作業後半には意欲を向上させる教示を行ったときの脳波活動の変化から, 意欲が精神性疲労にもたらす影響を検討することとした. 脳波の前頭部左右半球差が情動などの個人特性を反映して変化を示すとされていることから, 課題に対する心的負担を反映する指標として分析を行う. 大学生・大学院生6名を被験者とし, 精神作業として視覚探索課題を負荷し, 課題後半では意欲を向上させる目的で探索時間のフィードバックを行った. パフォーマンスとしての課題処理時間, 主観評価, 脳波を経時的に測定した. その結果, パフォーマンスの比較的維持されていた被験者と著しく低下した被験者に着目して, それぞれ左右前頭部のα波パワー値の比較を行ったところ, パフォーマンスを維持していた被験者は終始左前頭部の賦活が示され, パフォーマンス低下者は右前頭部の賦活が示されていたが, フィードバックにより左前頭部の賦活へと変化した. これらの結果から, 左前頭部の賦活がパフォーマンスの維持・向上に関連しており, 意欲は快感情と関連するとされている左前頭部を賦活して心的負担を軽減していることが明らかとなった. |
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ISSN: | 0386-1856 |