水痘・帯状疱疹・ムンプスの現状と今後の課題

「抄録」水痘・帯状疱疹・ムンプスは入院や合併症を伴うことも稀ではなく, ワクチンで予防する意義のある疾患である. 水痘ワクチンは2014年10月に定期2回接種となり, 以降の水痘患者数は大きく減少したが, ナチュラルブースター機会の減少により子育て世代の帯状疱疹罹患率が上昇傾向にある. 一方で1981年に市販されたムンプスワクチンはいまだ任意接種のままであり, 接種率が十分ではないためにムンプスの全国的流行が数年毎にみられている. 今後の課題として, 罹患歴もワクチン接種歴もない年長児に対する水痘ワクチンキャッチアップ接種および高齢者に対する積極的な帯状疱疹ワクチン接種が望まれる. ムンプスで...

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Veröffentlicht in:日本小児科医会会報 2023-10 (66), p.99-100
1. Verfasser: 後藤研誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」水痘・帯状疱疹・ムンプスは入院や合併症を伴うことも稀ではなく, ワクチンで予防する意義のある疾患である. 水痘ワクチンは2014年10月に定期2回接種となり, 以降の水痘患者数は大きく減少したが, ナチュラルブースター機会の減少により子育て世代の帯状疱疹罹患率が上昇傾向にある. 一方で1981年に市販されたムンプスワクチンはいまだ任意接種のままであり, 接種率が十分ではないためにムンプスの全国的流行が数年毎にみられている. 今後の課題として, 罹患歴もワクチン接種歴もない年長児に対する水痘ワクチンキャッチアップ接種および高齢者に対する積極的な帯状疱疹ワクチン接種が望まれる. ムンプスではワクチン接種率の更なる向上とともに, ワクチン後の診断困難例への対策として迅速かつ高感度なRT-LAMP法の保険収載が望まれる.
ISSN:0912-1781