免疫の基礎から, 免疫不全症の早期発見まで 易感染性と原発性免疫不全症
「抄録」 原発性免疫不全症の出現頻度は1,000出生あたり1人ほどと考えられており, 決してまれな疾患ではないため, 日常診療で患者に遭遇することは十分あり得る. ほとんどの症例は, 感染症の反復, 遷延, 重症感染症の発症など, 感染症を契機に診断されることが多い. 厚生労働省は, 原発性免疫不全症が疑われる10の徴候を提示し, それらに当てはまる症例については, 専門医に相談することを勧めている. 一次医療機関では, 1)家族歴や感染症の罹患頻度などの入念な問診を行う, 2)抗体産生不全症を疑って血清免疫グロブリンを測定する際は, 年齢ごとの正常値を把握しておく, 3)血算については白血球...
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Veröffentlicht in: | 日本小児科医会会報 2021-10 (62), p.70-73 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」 原発性免疫不全症の出現頻度は1,000出生あたり1人ほどと考えられており, 決してまれな疾患ではないため, 日常診療で患者に遭遇することは十分あり得る. ほとんどの症例は, 感染症の反復, 遷延, 重症感染症の発症など, 感染症を契機に診断されることが多い. 厚生労働省は, 原発性免疫不全症が疑われる10の徴候を提示し, それらに当てはまる症例については, 専門医に相談することを勧めている. 一次医療機関では, 1)家族歴や感染症の罹患頻度などの入念な問診を行う, 2)抗体産生不全症を疑って血清免疫グロブリンを測定する際は, 年齢ごとの正常値を把握しておく, 3)血算については白血球数だけでなく白血球分画も確認する, 4)生ワクチン接種後に重篤な副反応が出現した場合は原発性免疫不全症を疑う, 5)発育・発達障害のある児は原発性免疫不全を合併している頻度が高い, 6)原発性免疫不全症は成人で診断されることもある, などに留意してスクリーニングを行うことが重要である. |
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ISSN: | 0912-1781 |