小児科医と舌下免疫療法~よくわかる基礎から臨床まで
「抄録」 アレルゲン免疫療法は, 自然経過を修飾する可能性のある唯一の治療法である. 舌下免疫療法は, IgE依存性アレルギーの診断が正確になされ, かつ臨床症状が感作アレルゲンと合致している患者さんが適応となる. また鼻アレルギー診療ガイドラインでは初期療法として, さらには軽症~重症・最重症の患者さん全ての治療対象となる. その安全性の実証および手技能力から5歳以上の症例に施行可能である. なお舌下免疫療法は現在まで全国でダニ約30万例・スギ約42万例に施行されている. その免疫学的作用機序は十分には解明されてないが1. 舌下抗原が口腔粘膜下の抗原提示(抗原を取り込む)細胞に補足され, T...
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Veröffentlicht in: | 日本小児科医会会報 2021-10 (62), p.43-44 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」 アレルゲン免疫療法は, 自然経過を修飾する可能性のある唯一の治療法である. 舌下免疫療法は, IgE依存性アレルギーの診断が正確になされ, かつ臨床症状が感作アレルゲンと合致している患者さんが適応となる. また鼻アレルギー診療ガイドラインでは初期療法として, さらには軽症~重症・最重症の患者さん全ての治療対象となる. その安全性の実証および手技能力から5歳以上の症例に施行可能である. なお舌下免疫療法は現在まで全国でダニ約30万例・スギ約42万例に施行されている. その免疫学的作用機序は十分には解明されてないが1. 舌下抗原が口腔粘膜下の抗原提示(抗原を取り込む)細胞に補足され, Th2細胞すなわちアレルギーを起こしやすくする細胞の増加を抑える, 2. マスト細胞の周囲に抗原特異的抗体が存在するが, その特異抗体と抗原が結合するのを阻止するいわゆる阻止抗体(IgG抗体)を増加させる, などがあげられている. |
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ISSN: | 0912-1781 |