4.ARDS における循環モニタリング
「はじめに」 急性呼吸窮迫症候群(ARDS, acute respiratory distress syndrome)において肺保護換気戦略が重要で, 予後に最も影響するとされているが, 適切な循環管理もまた, 重要である. 本項ではARDSにおける循環動態の影響, および循環モニタリングに関して述べたい. 「循環モニタリング」 「1) 肺動脈楔入圧(PAWP)及び中心静脈圧(CVP)」 ARDSやshock患者の早期に肺動脈カテーテル(PAC)または中心静脈カテーテル(CV)を用いて, PAWP, CVPを前負荷の指標として, 輸液戦略を行うことが有用であるとされてきた. しかしながら, P...
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Veröffentlicht in: | 循環制御 2020, Vol.41(1), pp.16-18 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 急性呼吸窮迫症候群(ARDS, acute respiratory distress syndrome)において肺保護換気戦略が重要で, 予後に最も影響するとされているが, 適切な循環管理もまた, 重要である. 本項ではARDSにおける循環動態の影響, および循環モニタリングに関して述べたい. 「循環モニタリング」 「1) 肺動脈楔入圧(PAWP)及び中心静脈圧(CVP)」 ARDSやshock患者の早期に肺動脈カテーテル(PAC)または中心静脈カテーテル(CV)を用いて, PAWP, CVPを前負荷の指標として, 輸液戦略を行うことが有用であるとされてきた. しかしながら, PACに関しては予後には影響を及ぼさないが不整脈などの合併症を有意に増加するとされ, ARDSやshock患者において前負荷の指標としてPAWPを使用することは推奨されていない. Richardらは, ARDS, shock患者の早期にPACを用いる群と用いない群でRCTを行ったが, 両群で死亡率に差はなく, PACを用いることの有用性を示すことはできなかった. |
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ISSN: | 0389-1844 |