4.白血球遊走中の 血管内皮バリアー機構修復メカニズム: 敗血症の新規治療を目指して

敗血症では, 自然免疫系と血小板のクロストークにより, 全身性の炎症反応と血栓症が互いに増幅しあいながら血管内皮細胞 (EC) バリアー機構を破綻させ, 重要臓器の微小血管レベルでの循環不全をまねき多臓器不全に陥る. このバリアー機構の破綻は, マイクロレベルの小さな傷で引き起こされることが知られている. 正常な生理学的な状況においても, ECの小さな傷は, 日常的に発生し速やかに修復されていると予想されるが, その分子メカニズムは不明であった. そこで, 敗血症の根本的な治療方法を確立することを目指し, まず, 代表的なECのマイクロレベルの傷である白血球の血管外遊出過程で損傷されるECバリ...

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Veröffentlicht in:循環制御 2018, Vol.39(3), pp.160-161
1. Verfasser: 亀井, 政孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:敗血症では, 自然免疫系と血小板のクロストークにより, 全身性の炎症反応と血栓症が互いに増幅しあいながら血管内皮細胞 (EC) バリアー機構を破綻させ, 重要臓器の微小血管レベルでの循環不全をまねき多臓器不全に陥る. このバリアー機構の破綻は, マイクロレベルの小さな傷で引き起こされることが知られている. 正常な生理学的な状況においても, ECの小さな傷は, 日常的に発生し速やかに修復されていると予想されるが, その分子メカニズムは不明であった. そこで, 敗血症の根本的な治療方法を確立することを目指し, まず, 代表的なECのマイクロレベルの傷である白血球の血管外遊出過程で損傷されるECバリアー機構がどのように修復されるのか解明することに挑戦し, 知見を得たので報告する. 「白血球血管外遊出には2つの経路が存在する」白血球が血管内から血管外に遊出し, 組織障害部位に集積するためには, まず, ECによって形成されるバリアー機構を突破する必要がある.
ISSN:0389-1844
DOI:10.11312/ccm.39.160