胸腔鏡下手術直後にBare Metal Stent内の遅発性血栓症を生じた1症例

『はじめに』 虚血性心疾患に対する金属ステント(Bare Metal Stent:BMS)は, 2004年に承認された薬剤溶出性ステント(Drug Eluting Stent:DES)に急速に取って変わられつつあるが, 麻酔の現場ではしばしばBMSを留置した患者の症例に遭遇する. ステント留置から間もない場合は抗血小板薬を内服していることが多く, 継続すれば出血のリスクが高まり中止すればステント内血栓症の可能性が生じるため周術期管理においては大きな問題となる. 今回, BMS留置4週間後に全身麻酔下で胸腔鏡下縦隔リンパ節生検を行い, 術直後にステント内血栓症を認めた症例を経験した. 『症例』...

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Veröffentlicht in:循環制御 2009, Vol.30 (2), p.100-104
Hauptverfasser: 二木貴弘, 國吉保, 磯脇純和, 永田悦朗, 松永明, 上村裕一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:『はじめに』 虚血性心疾患に対する金属ステント(Bare Metal Stent:BMS)は, 2004年に承認された薬剤溶出性ステント(Drug Eluting Stent:DES)に急速に取って変わられつつあるが, 麻酔の現場ではしばしばBMSを留置した患者の症例に遭遇する. ステント留置から間もない場合は抗血小板薬を内服していることが多く, 継続すれば出血のリスクが高まり中止すればステント内血栓症の可能性が生じるため周術期管理においては大きな問題となる. 今回, BMS留置4週間後に全身麻酔下で胸腔鏡下縦隔リンパ節生検を行い, 術直後にステント内血栓症を認めた症例を経験した. 『症例』 患者は77歳の男性. 身長158cm, 体重53kg. 悪性リンパ腫が疑われ胸腔鏡下リンパ節生検目的で入院となった. 高血圧, 脳梗塞の既往があり内服加療中であった. 入院時の血液・生化学検査に異常は認めなかったが, 胸部X線写真では, 心拡大(心胸郭比55%), および左下肺野を中心とした胸水貯留を認めた.
ISSN:0389-1844