心臓手術における新たな治療戦略‐hANP低用量持続投与法の有効性

体外循環を使用する心臓, 大血管手術はレニン, アンギオテンシン, アルドステロン系(RAS)などの生体ホルモンを亢進させ, 尿量減少, third spaceへの水分貯留を惹き起こす. 一方, 近年心不全治療薬として注目されているhANPはRASを抑制し, 強力な利尿作用, 冠動脈拡張作用, 心保護作用などが豊富な薬剤特性を有している1~3). 心臓外科領域においても有効性が報告されているが, 術後のうっ血性心不全や利尿剤抵抗性の急性腎不全に対する術後投与が主なものであった4, 5). そこで当施設ではhANPが体外循環の欠点を補いうる可能性があると考え, 体外循環開始時からのhANP低用量...

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Veröffentlicht in:循環制御 2005-12, Vol.26 (4), p.301-306
Hauptverfasser: 瀬在明, 南和友
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:体外循環を使用する心臓, 大血管手術はレニン, アンギオテンシン, アルドステロン系(RAS)などの生体ホルモンを亢進させ, 尿量減少, third spaceへの水分貯留を惹き起こす. 一方, 近年心不全治療薬として注目されているhANPはRASを抑制し, 強力な利尿作用, 冠動脈拡張作用, 心保護作用などが豊富な薬剤特性を有している1~3). 心臓外科領域においても有効性が報告されているが, 術後のうっ血性心不全や利尿剤抵抗性の急性腎不全に対する術後投与が主なものであった4, 5). そこで当施設ではhANPが体外循環の欠点を補いうる可能性があると考え, 体外循環開始時からのhANP低用量持続投与法を国際的に初めて行い, その効果について証明してきた6~8)(表1). 今回, 様々な観点から本法の有効性について報告する. 待機的冠動脈バイパス術症例での検討 randomized trialで行った待機的冠動脈バイパス術(CABG)症例でのhANP低用量持続投与法の研究で, 当初hANP投与開始量を0.05μg/kg/minで行った.
ISSN:0389-1844