パッチクランプ法とライブイメージングから生命現象のメカニズムに迫る

「卒業研究から群馬大学に赴任するまで」 私は小さいころから犬や猫を飼っていたこともあって, ヒトを含めた生物全般に興味を持っていました. 高校の生物の授業で, 生命活動には細胞のレベルから複雑な仕組みがあることを知りとても感動したのを覚えています. 生物のなかでも, ヒトの「こころ」の仕組み, ヒト特有の高度な精神活動の特性や仕組みを知りたいと思い, 東京大学文学部心理学科に進学しました. この学科は, 括りでいえば文系に当たりますが, 心理学の中でも基礎的な実験心理学を中心とした研究・教育が行われている学科です. 動物行動学を含めた行動科学, 知覚心理学, 認知心理学, 神経科学を授業で学ん...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2023/08/01, Vol.73(3), pp.225-226
1. Verfasser: 細井, 延武
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「卒業研究から群馬大学に赴任するまで」 私は小さいころから犬や猫を飼っていたこともあって, ヒトを含めた生物全般に興味を持っていました. 高校の生物の授業で, 生命活動には細胞のレベルから複雑な仕組みがあることを知りとても感動したのを覚えています. 生物のなかでも, ヒトの「こころ」の仕組み, ヒト特有の高度な精神活動の特性や仕組みを知りたいと思い, 東京大学文学部心理学科に進学しました. この学科は, 括りでいえば文系に当たりますが, 心理学の中でも基礎的な実験心理学を中心とした研究・教育が行われている学科です. 動物行動学を含めた行動科学, 知覚心理学, 認知心理学, 神経科学を授業で学んでいく中で, ヒトを含めた生物のメカニズムに直接迫っていくには, 「ヒト」ではやはり限界があり, さまざまな実験操作が可能な実験動物を研究対象にしたほうがいいと思うようになりました. また, 「こころ」や「行動」は, 脳・神経系での情報処理の結果であるため, 「こころ」や「行動」の仕組みに迫るには, その情報処理の担い手である神経細胞の応答や特徴を解析すべきという思いを強くしていきました.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.73.225