雪国で暮らす高齢がん患者の療養生活

【目 的】雪国で暮らす高齢がん患者がどのような療養生活を送っているかを明らかにする.【方 法】豪雪地帯のがん診療連携拠点病院で化学放射線療法を行う8例の高齢食道がん患者と家族に,エスノグラフィを用いて入院生活,外来,自宅での参加観察と半構成的面接調査を行い,質的に分析した.【結 果】雪国で暮らす,化学放射線療法を行う高齢食道がん患者の療養生活は【『いつもの暮らし』に「がん」との付き合いを馴染ませる】プロセスであり,療養生活の方向性を決める意思決定から入院生活では《『仮の暮らし』の中で,『いつもの暮らし』に戻る自分を繋ぐ》生活様式を,退院後自宅での療養生活では《「がん」のある『いつもの暮らし』を...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2022/02/01, Vol.72(1), pp.59-70
1. Verfasser: 酒井, 禎子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目 的】雪国で暮らす高齢がん患者がどのような療養生活を送っているかを明らかにする.【方 法】豪雪地帯のがん診療連携拠点病院で化学放射線療法を行う8例の高齢食道がん患者と家族に,エスノグラフィを用いて入院生活,外来,自宅での参加観察と半構成的面接調査を行い,質的に分析した.【結 果】雪国で暮らす,化学放射線療法を行う高齢食道がん患者の療養生活は【『いつもの暮らし』に「がん」との付き合いを馴染ませる】プロセスであり,療養生活の方向性を決める意思決定から入院生活では《『仮の暮らし』の中で,『いつもの暮らし』に戻る自分を繋ぐ》生活様式を,退院後自宅での療養生活では《「がん」のある『いつもの暮らし』を続ける》生活様式を用いていた.【結 論】地域文化に根差した高齢がん患者の『いつもの暮らし』を理解し「食べて動ける力」を支えると共に,がんと付き合う療養生活を暮らしに組み込むセルフケア支援の重要性が示唆された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.72.59