肉眼的完全切除したが術後早期に再発した悪性腹膜中皮腫の1例

症例は73歳男性で,建設関連の職歴あり.腹部膨満感と食欲不振を主訴に近医を受診し,腹腔内腫瘤の診断で当科紹介となった.腹部CT検査にて回盲部と上行結腸を巻き込む長径200 mmの分葉状腫瘤を認めた.腫瘍による腸閉塞を懸念し,診断的治療目的で結腸右半切除術を施行した.術中所見として,回盲部と上行結腸が一塊となった表面不整,鵞卵大の病変を認めた.小網と小腸間膜の各々50 mm,30 mmの腫瘤を併せて摘出した.その他播種結節は認めなかった.摘出した巨大腫瘍は腸間膜由来であり,広範囲に出血壊死をきたしていたが腸管粘膜に腫瘍成分を認めなかった.組織学的には異型の高度な紡錘形,線維性非上皮性細胞が増殖し...

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Veröffentlicht in:THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL 2019/08/01, Vol.69(3), pp.221-226
Hauptverfasser: 竹内, 瑞葵, 大谷, 泰介, 中川, 真理, 江原, 玄, 竹内, 悠二, 野田, 大地, 松尾, 亮太
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は73歳男性で,建設関連の職歴あり.腹部膨満感と食欲不振を主訴に近医を受診し,腹腔内腫瘤の診断で当科紹介となった.腹部CT検査にて回盲部と上行結腸を巻き込む長径200 mmの分葉状腫瘤を認めた.腫瘍による腸閉塞を懸念し,診断的治療目的で結腸右半切除術を施行した.術中所見として,回盲部と上行結腸が一塊となった表面不整,鵞卵大の病変を認めた.小網と小腸間膜の各々50 mm,30 mmの腫瘤を併せて摘出した.その他播種結節は認めなかった.摘出した巨大腫瘍は腸間膜由来であり,広範囲に出血壊死をきたしていたが腸管粘膜に腫瘍成分を認めなかった.組織学的には異型の高度な紡錘形,線維性非上皮性細胞が増殖しており,免疫染色でcalretininが高度陽性となったため腹膜中皮腫の診断に至った.術後経過は良好のため第14病日に退院としたが,腹膜中皮腫の再発により急速に状態が悪化し,第42病日に永眠された.
ISSN:1343-2826
1881-1191
DOI:10.2974/kmj.69.221